間違いだらけの時代劇
(まちがいだらけのじだいげき)
名和弓雄
(なわゆみお)
[江戸入門]
♪時代考証に気を取られすぎると、テレビの時代劇がつまらなくなるようで、この手の本はあまり関心を持っていなかったのだが、たまたま立ち読みしたら、抜身の刀の正しい持ち方とか町方同心の巻き羽織の紋とか、時代小説を読む際にも役立つ話が多かった。
ただ、1989年に書かれた本ということで、槍玉に上がっている(引き合いに出されている)時代劇が、その当時のもので、見ていないのが残念。NHK大河ドラマと、杉良太郎さんの出演しているものは、時代考証が比較的ちゃんとしているらしい。
読みどころ●時代が進むにつれて、古いことを知る人が少なくなり、テレビや映画の時代劇の乱れが目立つようになってきた。時代劇は、ちょんまげを頭にのせ、刀を腰に帯びた現代劇であってはならない。昔の姿に近づけば近づくほど、面白くなっていくもの。本書は、時代考証の初歩と面白さをやさしく解説します。
目次■1 様にならない作法のお笑い/2 講釈師、見てきたような嘘を言い/3 テレビの花形、捕物帖の取り違い/4 知らぬが仏、小道具、大道具の間違い/5 いざ戦場に! 便利にできている衣装・武具/これはビックリ! 常識破る珍兵器/あとがき