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天下の旗に叛いて

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天下の旗に叛いて
天下の旗に叛いて

(てんかのはたにそむいて)

南原幹雄

(なんばらみきお)
[室町]
★★★☆☆

表紙が宇野さんの手になる時代小説は珍しい。落合恵子さんなど女流作家の現代小説の装画が多いが、今回は室町時代の雰囲気が伝わりいい。

「武王の門」を読んだ勢いで、室町後半の東国を描いた、本作品を読んでみることにした。歴史・時代小説の中で軽く扱われてきた分野だけに、背景知識がなく新鮮な気持ちで読めた。

物語●室町幕府に抗して滅ぼされた(永享の乱)、鎌倉公方足利持氏の遺児・春王丸、安王丸は幕府軍に追われる流浪の身となって日光にいた。下総国の豪族結城氏朝、持朝は義によってこのかつての主君の子を擁し、天下に反旗を翻す。押し寄せる十万余の大群を相手に、わずか一万の軍勢は果敢に闘い続けた。
本書で描かれた「結城合戦」に続く時代が、「南総里見八犬伝」である。古河、堀越両公方や管領の上杉の扇谷・山内両氏の分裂・抗争の発端がよくわかる。

装画:宇野亜喜良
装丁:成瀬始子
解説:菊地仁
時代:永享十二年(1440)年二月~嘉吉元(1441)年四月
(ベネッセ・福武文庫・650円・1996/1/10)
購入日:1996/12/17
読破日:1996/12/20

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