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江戸吉凶帳

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江戸吉凶帳
江戸吉凶帳
(えどきっちょうちょう)
南原幹雄
(なんばらみきお)
[捕物]
★★★★

東さん装画と江戸歌舞伎の世界が舞台になっている点に惹かれてハードカバーながらも購入した。

新しい捕物帳ヒーローの誕生! 中村座と市村座のある二丁町(堺町)の芝居茶屋江戸屋の主人弁之助は、男盛りの三十五歳。家業は8つ年下の恋女房の〈おわか〉が取り仕切り、髪結いの亭主状態で暇をもてあましていた。暇にまかせて俳句をひねったり絵をかいたり、剣術に励んだりしていた(明暗一刀流免許奥伝)。

役者くずれで五代目鳥居清満門下で芝居の絵看板を描く友蔵と目明かし鶴吉とともに、芝居町の難事件解決に乗り出すシリーズ。手拭いを得物に颯爽と立ち回りを演じるのも血生臭くなくて新鮮な感じがする。

物語●「芝居茶屋の亭主」初舞台を目前に、江戸屋に遊びに来ていた中村勘三郎の御曹司が行方不明になった…。「お役者買い」売出し中の若手役者が殺された…。「ことぶき興行」中村家相伝の宝物が盗まれた…。ほかに「夫婦道成寺」「お蘭の方騒動」「鳥居派五代目」「料理八百善」「名家の陰謀」など、華やかな歌舞伎の世界に潜む色と欲を浮き彫りにしながら、江戸屋弁之助が事件の謎を解く。

装画:東啓三郎
時代:文政四年
(新潮社・1500円・97/3/20)
購入日:97/3/23
読破日:97/4/6

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