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本所深川ふしぎ草紙

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本所深川ふしぎ草紙
本所深川ふしぎ草紙

(ほんじょふかがわふしぎそうし)

宮部みゆき

(みやべみゆき)
[ホラー]
★★★★ [再読]

以前にハードカバーで読んで、まだ若いのに文が達者だなって、感じたのを覚えている。「火車」を読んで感動して以来、宮部さんの作品は読む機会が多い。読後感が爽快なのも気に入っている。

深川七不思議を題材に、人生の真実を深い洞察力で描く7編。とくに「片葉の芦」は見事。全編通じて、傍役として「回向院の親分」こと岡っ引き茂七が登場する。

物語●近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いが悪かった娘のお美津だという噂が流れた・・・。幼い頃お美津に受けた恩義が忘れられず、ほのかな思いを寄せるそば職人がことの真相をさぐる「片葉の芦」。お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命じられた奉公人のおりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」(カバーの絵も)。非業の死を遂げた魚屋の家族の元にやってきたのは岸涯小僧か?「置いてけ堀」。『あの落葉のせいで下手人があがらないんだから、もう二度とそんなことがないように、いつ見ても落葉が一枚だって落ちていないように、あたしが掃除をいたします』と孝行娘お袖は、朝晩店先の掃除をやめない「落葉なしの椎」。「馬鹿囃子」狂女の中に見られる切実な女心。「足洗い屋敷」おみよは新しい母親に魅了されてしまった。「消えずの行灯」ある夫婦の関係を行灯になぞらえる。

カバー装画:藤田新策
解説:池上冬樹(文芸評論家)
時代:文化十三年(1713)年
(新潮文庫・440円・1995/09/01)
購入日:1996/12/21
読破日:1996/12/23

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