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東洲しゃらくさし

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東洲しゃらくさし東洲しゃらくさし
(とうしゅうしゃらくさし)
松井今朝子
(まついけさこ)
[芸道]
★★★☆☆☆

『仲蔵狂乱』(講談社)で、時代小説大賞を受賞した松井今朝子(まついけさこ)さんの前作。この作品では、彼女の得意分野の歌舞伎ではなく、表紙も相撲取りの大童山(なんと、6歳の少年ながら巨漢で、土俵に上がっていた当時の怪童、写楽の画はちょっと若乃花に似ている)だし、写楽の謎に迫るのかと、読みはじめるが、やはり歌舞伎(妓)の世界が舞台だった。「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」などで知られる歌舞伎作者・並木五兵衛(五瓶)が主人公の一人なのが面白い。

今まで、写楽ものというと、写楽の正体探しがテーマになることが多いが、この作品では写楽の画のモデル(画かれる側)により焦点を当てている。そこで、当時の東西歌舞伎の世界が活写されいる。

もちろん、蔦屋重三郎や喜多川歌麿、十返舎一九、曲亭馬琴、葛飾北斎ら、写楽ものではおなじみの人たちも登場する。

物語●嵐のような寛政の改革が過ぎ去り、江戸の町に活気が戻った頃、鳴物入りで上方から呼ばれた歌舞妓作者・並木五兵衛。彼の江戸下りに先駆けて、大道具の彩色方(舞台装置に色を塗る職人)の彦三が江戸の町にやってきた…。

目次■なし

装画:写楽画「大童山文五郎の土俵入」
装幀:安彦勝博
時代:寛政六年
舞台:大坂・道頓堀の芝居町、今宮。江戸・通油町、堺町、葺屋町、木挽町、本所回向院、深川。
(PHP研究所・1,748円・1997/01/23第1刷・293P)
購入日:98/03/29
読破日:98/04/27

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