シェア型書店「ほんまる」で、「時代小説SHOW」かわら版を無料配布

巷説百物語

アドセンス広告、アフィリエイトを利用しています。
スポンサーリンク

巷説百物語巷説百物語
(こうせつひゃくものがたり)
京極夏彦
(きょうごくなつひこ)
[ホラー]
★★★★☆☆

『巷説百物語』は、WOWOWで、12月に映像化される。田辺誠一さん、遠山景織子さん、佐野史郎さんら、いかにも京極作品が似合いそうなキャスティングだ。
小説のほうは、妖怪ミステリーと紹介されることが多いようである。読んだ印象としては、京極版「必殺」って感じがする。『絵本百物語―桃山夜話』に収録されている、妖怪話をモチーフにした、不可解な事件を、小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、考物の百介らが、解決する。京極堂シリーズのファンの方も楽しめる、連作時代小説だ。登場人物の設定や、擬音語や効果音の多用、幻想的なモノローグなど、相通じるところが多い。
表紙裏には、「帷子辻」に登場した『九相詩絵巻』を掲載。親切である。

物語●「小豆洗い」枝折峠という難所で、僧・円海が篠つく雨の中で更に奥の獣みちを進んだ…。「白蔵主」狐釣りの名人だった弥作は、5年ぶりにかつての猟場だった夢山に戻ってきた…。「舞首」巴が淵のほとりの小屋に、鬼虎の悪五郎という荒くれ者が棲みつき、里の者を脅かしていた…。「芝右衛門狸」富農の芝右衛門の孫娘が、夏祭りの夜、何者かに殺された…。「塩の長司」小塩ヶ浦に、加賀で一二の富豪・馬飼長者がいた。主人・二代目長次郎の評判というのが…。「柳女」北品川の入口に、柳屋という旅籠があった…。「帷子辻」嵐山の破れ御堂で、御行の又市は玉泉坊という小悪党から「九相詩絵巻」を見せられた…。

目次■小豆洗い|白蔵主|舞首|芝右衛門狸|塩の長司|柳女|帷子辻

装画:『竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話』(多田克己編)
時代:不明
場所:越後・枝折峠、甲斐・夢山、伊豆・巴が淵、淡路、加賀・小塩ヶ浦、北品川、京洛・帷子辻ほか
(角川書店・1,900円・99/08/31第1刷・511P)
購入日:99/09/05
読破日:99/10/16

Amazon.co.jpで購入 [文庫あり]