[amazon_image id=”4198914346″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]死神幻十郎―冥府の刺客 (徳間文庫)[/amazon_image]
死神幻十郎 冥府の刺客
(しにがみげんじゅうろう・めいふのしかく)
(くろさきゆういちろう)
[伝奇]
★★★★
♪見覚えのあるタイトルと思っていたら、『冥府の刺客』と言う題で廣済堂文庫から出ていた。未読だから、まあいいか。
著者は、中村勝行名義で書いた、『蘭と狗』で時代小説大賞を受賞している 『蘭と狗』(講談社文庫)で時代小説大賞を受賞した、中村勝行さんの、別名義での作品。
主人公・死神幻十郎(元南町奉行所定町廻り同心・神山源十郎)の設定がユニークで巧い。また、狂言回しとして、楽翁(隠退した元老中・松平定信)という大物を配したのも見事。
江戸の風物や用語について、簡潔な説明がついていて読者に親切である。
作者は、「必殺仕掛人」や「太陽にほえろ!」、「木枯し紋次郎」のシナリオライターだったということもあり、物語の一場面一場面が映像的である。この作品を映画化すると、バイオレンス度が高く、ちょっとHなので、R指定が付いてしまうかも。
物語●南町奉行所同心・神山源十郎が、勤めから帰宅すると、妻の織絵が、同じ南町の隠密廻り同心・吉見伝四郎に凌辱されているのに遭遇し、吉見を斬り捨ててしまう。このとき、織絵は自害していた。この事件により、源十郎は、小伝馬町の牢屋敷の揚屋に収監され、異例の裁決で、斬罪に決まった…。
目次■第一章 刑場の露/第二章 黄昏の少将/第三章 羅生門河岸/第四章 四つ目屋鬼八/第五章 伏魔殿/第六章 暗闘/第七章 飢狼の牙/第八章 死に花/第九章 冥府の刺客/解説 染宮進