(しんせんぐみ)
(くろがねひろし)
[マンガ]
★★★★☆
♪「歴史街道」連載中から注目していた作品だったが、新選組についてよく知らなかったので、せめて『竜馬がゆく』を読んでからにしようと、温めていた。
黒鉄さんといえば、「ビッグコミック・オリジナル」の「赤兵衛」のイメージが強いので、新選組というとちょっと意外な感じがするが、その「赤兵衛」もテーマは現代であるが、舞台は江戸を借りている。
そんなわけで、黒鉄さんの画がこなれていて味がある。また、この人の最大の特徴である見立て(たとえば下駄の鼻緒を遺影の黒リボンに見立てる、など画による一種の駄洒落)の秀逸さが随所に見られて面白い。つまり、新選組の事跡に詳しければ詳しいほど楽しめるってわけ。
芹沢鴨暗殺の場面での、ちょっとなまめかしい描線も、黒鉄さんには珍しくなかなかだ。
IBMのThinkPadのCMを見ていて気が付いたが、『竜馬が行く』のおりょうは、りょうさんがいいな。
物語●池田屋騒動から北海道の土方まで、新選組の面々の活躍を一話完結形式(6ページ)で描く時代マンガの傑作。
目次■序/池田屋騒動(一)(二)(三)/試衛館 天然理心流/新選組をつくった男/柴司・麻田時太郎 切腹/長曾禰虎徹/力士斬り/禁門の大政変/局中法度書/芹沢鴨暗殺(一)(二)/内山彦次郎 暗殺/蛤御門の変/池田屋騒動始末/山南敬助脱走/元治二年三月某日/壬生心中/勘定方 河合耆三郎 斬/伊東一派加盟/人斬り鍬次郎/谷三十郎の介錯 祇園石段下の暗殺/三条制札事件/武田観柳斎 暗殺/四条大橋 斬り合い/佐野七五三之助・茨木司・富川十郎・中村五郎 死/坂本竜馬・中岡慎太郎 暗殺(一)(二)/油小路事件(一)(二)(三)/天満屋事件/墨染事件/鳥羽伏見の戦い/富士山丸/甲陽鎮撫隊/下総流山自首/土方歳三・北へ 雪/沖田総司/宮古湾海戦/土方歳三・北へ 月/土方歳三・北へ 花/明治四十四年/あとがき