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喧嘩侍 勝小吉

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喧嘩侍 勝小吉
喧嘩侍 勝小吉
(けんかざむらい かつこきち)
小松重男
(こまつしげお)
[武家]
★★★☆☆

新潮文庫の「歴史・時代小説フェア」の新刊。今回は6タイトルで、ちょっと物足りないラインナップだ。

読んだばかりの永井義男さんの「蛍狩殺人事件(鮮魚師)」で、興味が増した勝海舟の父親、勝小吉を主人公にした作品だ。

放蕩無頼ぶりは、前から知っていたが、あらためて小吉の無軌道ぶりの凄さにびっくり。江戸時代の後半とはいえ、堅苦しいと思われた武家の生活の中で、こんな破天荒な生き方ができるなんて…。

海舟と小吉の親子鷹ぶりは、子母沢寛さんの作品でよく知られているが、本作品での小吉とその父平蔵との親子関係も微笑ましい。随所に小吉の自伝『夢酔独言』から引用しているが、そのかたわらその記述を頭から疑ってかかっているのがまた面白い。

物語●七歳で旗本小普請組勝家に養子に入った小吉は、学問嫌いの札付きの不良だった。腕っ節の強さで、出世の道を開こうと、喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた。父平蔵は孫のような三男・小吉を溺愛し、不行跡の尻拭いを楽しみにしていた…。

目次■男谷の泥亀/憤怒の養祖母/いじめといぢめ/放浪記/喧嘩三昧/道場破り/座敷牢/酔生夢死/解説 縄田一男

カバー装画:村上豊
解説:縄田一男
時代:文化五年
舞台:深川油堀、亀沢町、入江町。
(新潮文庫・476円・97/9/1第1刷・286P)
購入日:97/9/7
読破日:97/9/28

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