算学武芸帳
(さんがくぶげいちょう)
金重明
(きむちゅんみょん)
[芸道]
★★★★☆
♪最近、算学をテーマにした時代小説に、なぜか惹かれてしまう。理系でないので、読んでいても今いちというか、全然理解できていないくせにである。その内容も非常に高度で難解なのである。
この作品での算士同士の算学勝負は、武芸者同士の真剣での試合を思わせる、緊迫感があり大きな山場になっている。
主人公はもちろん、脇役まで魅力的に描かれている好編。不思議な爽快さのある青春小説。
第8回朝日新人文学賞受賞作品。
物語●和算の秘奥義「鳳積術」を極めんと、貧乏旗本の三男坊で、算学に抜群の才をみせる臼井与三郎(早雪)は算学道を歩む…。
目次■第一章 秘伝書/第二章 鳳翔/第三章 道場破り/第四章 不惑/第五章 腕比べ/第六章 きくらげ