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沖田総司・暗殺剣

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沖田総司・暗殺剣

(おきたそうじ・あんさつけん)

加野厚志

(かのあつし)
[幕末]
★★★☆☆

沖田総司を主人公とした異色の新選組もの。謎の女性・烏丸龍子を登場させることにより、伝奇色の強い作品に仕上がっている。

東男で子供っぽさが魅力の沖田総司が、年上の京女・龍子に翻弄される様子が面白い。東大寺・正倉院の秘香・蘭奢待(らんじゃたい)が物語の鍵を握る。ぼくは、蘭奢待と聞く(香は「嗅ぐ」ではなく「聞く」というが)だけで、コーフンしてドキドキしてしまう。

物語●幕府浪士隊として入京した沖田総司は、三条大橋で長身の巫女・烏丸龍子と出会った。龍子は、「沖田はん、えろう待たせて堪忍どっせ」と声をかけ、沖田とここで出会うことは前世からの決まりごとといった。そして、その場で清河八郎の暗殺を予言した…。

目次■序章 池田屋の決闘/魔都に棲む鬼/血飛沫は洛北にふる/五条坂隠亡の群れ/高瀬舟濁流に消ゆ/花の浪華百人斬り/蘭奢待は末期の香り/あとがき

カバーイラスト:毛利彰
カバーデザイン:原田幸生
時代:文久三年。
場所:三条小橋、三条大橋ほか。
(廣済堂文庫・543円・00/03/01第1刷・285P)
購入日:00/02/27
読破日:00/04/07

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