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東京城残影

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東京城残影東京城残影
(とうけいじょうざんえい)
平山壽三郎
(ひらやまじゅざぶろう)
[明治]
★★★★

第九回時代小説大賞受賞作「東京城の夕映え」を単行本化にあたり改題し、加筆したもの。

やったね。というところか。明治初頭という、あまり荒らされていない時代に着目したのがいい。「夫が箱館戦争から生還した夜、妻は大川に身を投げた。」と書かれた帯のコピーで、もう引きつけられてしまった。

作中に紹介された江戸から東京の間には、目に見えない橋が懸かっている」という渋沢の御前(栄一)の言葉が印象に残る。

昭和8年生まれということで、遅れてきた新人だが、確かな実力を見せている。体に気をつけて、一編でも多くの作品を書いてほしい。

物語●箱館戦争に加わっていた向井信一郎は、二年五カ月ぶりに江戸、いや東京(とうけい)に帰ってきた。残してきた家族を探し当てた。再会した夜、妻のお篠は、大川に身を投げた…。

目次■第一章 箱館くずれ/第二章 茂平の御一新/第三章 稲垣楼の女将/第四章 幕臣と官員/第五章 俥宿の親方/第六章 東京に渡る橋

カバー画:井上安治「蠣殻町川岸の図」(神奈川県立歴史博物館)
装幀:菊地信義
時代:明治三年秋
場所:
(講談社・1,500円・99/03/10第1刷・321P)
購入日:99/03/15
読破日:99/03/21

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