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はやぶさ新八御用帳(二) 江戸の海賊

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はやぶさ新八御用帳(二) 江戸の海賊はやぶさ新八御用帳(二) 江戸の海賊
(はやぶさしんぱちごようちょう2・えどのかいぞく)
平岩弓枝
(ひらいわゆみえ)
[捕物]
★★★★ [再読]

家族が買って読み終えた本を手に取っているうちに、十年ぶりに読み進めることにした。

『はやぶさ新八御用帳』というと、後期の一話完結の連作形式というイメージを持っていたが、1、2巻はともに長編仕立てである。また、佐多芳郎さんの表紙の女性を女中のお鯉と思っていたが、緋桜小町こと、さくら茶屋で働くお小夜だった。しかも、お鯉の出番はなく、新八郎の妻・郁江が事件に深く関わることに。

ヒロインのことはともかく、この作品はシリーズ中でもっともスケール感がある物語になっていて面白い。また、謎解きの要素も強く最後まで一気に読ませる。「残りのページ数が少なくなったのに、なかなか解決に向かわずにハラハラした」と家族のものも言っていた。

物語の舞台が深川で、地理に不慣れな新八郎が深川を歩き回るので、町の様子が描写されていていい感じである。明石町の寒橋(さむさばし)が登場するが、どこかで聞いたことがあると思ったら、最近読んだばかりの宇江佐真理さんの『おぅねぇすてい』(祥伝社文庫)にも出てきた橋だったからだ。

物語●町奉行所は、本所・深川の水路に入ってくる大藩の船を襲う船幽霊と仇名される海賊の跳梁に手を焼いていた。南町奉行・根岸肥前守の内与力隼新八郎は、町奉行所本所方の同心高丸龍平と、事件の鍵を求めて、桜の名所・飛鳥山へやってきた。そこで、緋桜小町と呼ばれるお小夜がいるさくら茶屋でやすむことにした。花見客でいっぱいのさくら茶屋で、天気が急変し、落雷の中、紫のお高祖頭巾をかむっている女が何者かに刺殺された…。

目次■緋桜小町/仙台堀/海手屋/恋人/滝のある家/竹の市/湊屋襲撃/袖ヶ浦/音無川/消える/板倉屋/女心/阿伽様/終焉

カバー装画:佐多芳郎
カバーデザイン:岸顯樹郎
時代:明記されず。寛政十二年三月頃か
場所:飛鳥山、深川沖、仙台堀、佐賀町、寒橋、明石町、数寄屋橋、酒井雅楽頭上屋敷、王子権現、巣鴨仲町、日暮里、本所石原町、袖ヶ浦、品川、板橋、巣鴨御駕籠町ほか
(講談社文庫・514円・93/09/15第1刷・03/01/29第27刷・297P)
購入日:04/04/20
読破日:04/05/04

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