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光秀の十二日

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光秀の十二日光秀の十二日
(みつひでのじゅうににち)
羽山信樹
(はやまのぶき)
[戦国]
★★★★☆

表紙に書かれた「信長シリーズ4」という文字が気になったが、『是非に及ばず』『滅びの将』『夢狂いに候』の信長三部作に続くという意味らしい。小学館文庫でこの「信長シリーズ」の刊行を続けてくれるのだとしたら、非常に喜ばしい。できれば、ぜひ『流され者』も出してほしい。

戦国時代小説といっても、そこは羽山さんらしく、ひねりを利かせ、伝奇小説仕立てになっている。表題にある通り、本能寺の変からの十二日間が時系列に描かれていて、凝縮された時間の中での、戦国の武将たちの言動に緊張感にみなぎっていて、羽山さん流解釈による、本能寺の変とその後日談が楽しめる。光秀の配下として、架空の能役者・元阿弥一座(裏結崎)を加えたことにより、物語にダイナミズムと広がり、面白さを倍化させた気がする。各章のタイトルには、能の曲名を配し、その内容を象徴している。

物語●天正十年六月二日、光秀は、腹心斎藤利三と共に坂本城に戻りついた。光秀は、本丸御殿大広間に、嫡男・十五郎光慶をはじめ、留守居の主だった者を集めて、信長・信忠弑逆の事実をはじめ、その日の本能寺の一件について話し、天下を取ったことを告げた。そして今後の指示を伝えるとともに、明智家お抱えの能役者・元阿弥を呼んだ。元阿弥には、ある秘命を託していた…。

目次■第一章 朝長――天正十年六月二日~六月四日/第二章 邯鄲――天正十年六月五日~六月七日/第三章 頼政――天正十年六月八日~六月十日/第四章 清経――天正十年六月十一日~六月十三日/終章 卒都婆小町/あとがき/解説 梓澤要

カバー装画:智内兄助
カバーデザイン:門田博
解説:梓澤要
時代:天正十年六月二日
場所:坂本城、安土城、宇治田原、備後鞆、備中高松、宮津、三戸野、京、山崎ほか
(小学館文庫・600円・00/08/01第1刷・297P)
購入日:00/07/08
読破日:00/08/07

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