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青き剣舞

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青き剣舞青き剣舞

(あおきけんばい)

花家圭太郎

[青春]
おすすめ度:★★★★☆

花家圭太郎さんは、秋田・佐竹藩の名物男・戸沢小十郎がホラを吹きまくる痛快時代小説『暴れ影法師』など「花の小十郎」シリーズでおなじみの時代小説家。今回は、舞台を元禄の世に移して、三人の若者を登場させている。

桑原玄二郎は厩方百十石の二男坊、小野寺参徹は納戸方百四十石の三男坊、双田継之進は記録方九十石の二男坊で、いずれも佐竹藩の下士の部屋住みである。参徹は一廉の剣客を目指し、継之進は学問の道を究めるために、それぞれ江戸に出たいと願っていた。二人のように目指すものが定まらない玄二郎は、生類憐れみの令が布かれた江戸よりも故郷の山や川に惹かれていた。

三人の若侍は、仲のよい幼なじみで、何かといえば三人で連れ立っていたので、藩内では小田切道場の三羽烏もしくは佃塾の三羽烏と呼ばれていた。そのうちの玄二郎が、大番頭八百石・茂木玄蕃頭の娘・芙卯の婿に選ばれた。

やがて、玄二郎の義父の玄蕃頭が酔った参徹に斬殺され、参徹はそのまま藩外に出奔するという事件が起こった。玄二郎は仇討ちのために、新妻の芙卯を伴って江戸へ出立する。

少年から大人の世界に足を踏み入れたことで、三人の関係に変化が生じる。物語は、ちょうど同じころに起こった赤穂事件とも関係することになる。武士道とは何かを考えさせられる作品。

主人公の玄二郎の明朗なキャラクターが読後に爽快感を与える。

目次■第一章 三羽烏/第二章 迷い道分かれ道/第三章 暗転/第四章 浮世小路/第五章 隅田川悲恋/第六章 再会/第七章 琴と瑟と/第八章 柳に吹く風/解説 高橋千劔破

カバー画:横山明
カバーデザイン:平面惑星
描かれている時代:元禄十四年
(中公文庫・648円・2006年7月25日第1刷・302P)
購入日:2006/08/10
読破日:2006/08/20

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