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写楽仕置帳 御膳役一条惣太郎探索控

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写楽仕置帳 御膳役一条惣太郎探索控写楽仕置帳 御膳役一条惣太郎探索控
(しゃらくしおきちょう・ごぜんやくいちじょうそうたろうたんさくひかえ)
えとう乱星
(えとうらんせい)
[伝奇]
★★★★

前作で、「鬼平」こと長谷川平蔵が殺されたというショッキングな設定で登場した、流れ板・一条惣太郎が主人公のシリーズ第2弾。

主人公は惣太こと、禁裏御膳役宗家・一条惣太郎。流れ板ということもあり、料理のシーンが多く出てきて、そこで作られる料理がどれもおいしそう。

今回は、蔦屋に潜入ということで、十返舎一九、滝沢馬琴、喜多川歌麿、山東京伝、大田南畝ら同時代のおなじみの文化人たちが登場し、面白い。そして最大のテーマは、写楽の謎。えとうさんらしく、伝奇色に満ち溢れていてファンにはたまらないところ。

前作では鬼平を取り上げ、今回は藤枝梅安を連想させるシーンがあり、池波正太郎さんへのオマージュを感じさせる。なお、今回から表紙のイラストが野中さんに変わった。

物語●流れ板の惣太が、麻布に包まれた太く長い棒状の荷物を背負った姿で、日本橋通油町で書肆を営む蔦屋耕書堂にやってきたのは、十一月のことだった。給金はいらない、間借りをしたいという惣太は、台所に入り、蔦屋重三郎と十返舎一九らに有り合わせの材料で料理を作った。その結果、食客として蔦屋に住むことが許され、蔦屋の者たちが食べる三度の飯は惣太が作ることになった。その蔦屋に火盗改めによる御用改めが行われた。写楽という一党が御上の御金蔵を狙っているという情報を得て、蔦屋を取り調べることになったという…。

目次■第一章 咎人書肆/第二章 隠密一九/第三章 異界吉原/第四章 勇士蔦屋組/第五章 両面宿儺/第六章 阿修羅対閻魔

カバーイラスト:野中昇
時代:寛政七年師走
場所:日本橋通油町、御蔵前、吉原、江戸橋、難波町、北町奉行所、五十間道、江戸町二丁目、角町、牛込原町、八丁堀地蔵橋、永田町ほか
(コスミック・時代文庫・552円・05/02/25第1刷・285P)
購入日:05/02/18
読破日:05/03/01

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