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写楽百面相

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写楽百面相
写楽百面相

(しゃらくひゃくめんそう)

泡坂妻夫

(あわさかつまお)
[歴史ミステリ]
★★★★☆

作者は紋章上絵師で、マジシャンにして作家という多才な人で、写楽フリーク。多くの作家や研究家が写楽の正体を解明しようとしてきた。本書も大きなテーマの一つになってはいるがそれだけではない。

蔦屋重三郎、松平定信、十返舎一九、葛飾北斎、二代目尾上菊五郎、四代目鶴屋南北など、当時の有名人が続々登場するのも楽しい。

物語●江戸の本屋の若旦那二三(にさ)は、馴染みの芸者卯兵衛の部屋でかつて見たことのないほど衝撃的な役者絵を目にする。いったい誰が描いたのか・・・。浮世絵師の正体を追っていく中で、二三は事件の渦に巻き込まれていく。寛政の改革のまっただ中、上方と江戸を結ぶ大事件を軸にして、浮世絵、芝居、黄表紙、川柳、相撲、手妻にからくりなど、江戸の文化と粋を描き、写楽の正体の謎解きに迫る。

装画:山下勇三(「グラフィック写楽67人展」より)
地模様:泡坂妻夫
解説:縄田一男
舞台:寛政六年
(新潮文庫・520円・1996/10/01)
購入日:1996/11/01
読破日:1996/11/03

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