亜智一郎の恐慌
(あともいちろうのきょうこう)
泡坂妻夫
[武家]
★★★★
♪名探偵・亜愛一郎の祖先は、江戸城雲見番番頭だったという設定がファンにはたまらないところ。のはずだが、亜愛一郎シリーズを読んでいなかったのでちょっと残念。もちろん、読んでなくても十分楽しめる。
雲見番が実在した役職かどうかわからないが、天変地異に備える天気予報士のようなものだが、妙にリアリティがある。また、閑職のためにその裏の仕事が与えられるという設定もいい。
紋章作家らしく、カバーの模様が趣きがある。また主人公が家紋や印籠などに目が利いたりするのもらしい。肩の凝らない楽しい作品だ。
物語●安政二年、江戸全土を大地震が襲った。江戸城大手門の下座見役の緋熊重太郎は、江戸城で倒れた梁に左腕を挟まれてしまう。その場に居合わせた甲賀忍者の藻湖猛蔵は、空いている右腕で左腕を切り落とすようにすすめるが…。
江戸城雲見役番頭の亜智一郎は、小普請方の古山奈津之助とともに地震に乗じて将軍家定を襲うとした曲者を阻んだ…。
大地震で、功績が大であった四人が雲見番を拝命され、新たに使命が伝えられた…。
目次■雲見番拝命/補陀楽往生/地震時計/女方の胸/ばら印籠/薩摩の尼僧/大奥の曝頭
装幀:大路浩実
模様作成:泡坂妻夫
時代:安政二年十月
舞台:江戸城、猿若町、本所松井町、浅草伝法院前、京橋柳町、八丁堀玉子屋新道。
(双葉社・1700円・97/12/10第1刷・266P)
購入日:98/1/15
読破日:98/2/21
模様作成:泡坂妻夫
時代:安政二年十月
舞台:江戸城、猿若町、本所松井町、浅草伝法院前、京橋柳町、八丁堀玉子屋新道。
(双葉社・1700円・97/12/10第1刷・266P)
購入日:98/1/15
読破日:98/2/21