謎ジパング 誰も知らない日本史
(なぞじぱんぐ・だれもしらないにほんし)
明石散人
(あかしさんじん)
[歴史ミステリ]
★★★☆☆
♪京極夏彦作品の主人公・古書店主京極堂が“築地の先生”と呼び、師匠とするのが、明石散人さんだそうだ。そういえば、築地に明石町というのがある。博覧強記の著者が、豊富な史料を駆使し、歴史の謎や定説に挑戦する“歴史ミステリー”。思わず納得させられる話の展開力が見事。
麻雀の白發中の牌には、黒を示す玄武牌があった筈で、日本書紀の書かれた時代には、元明天皇、元正天皇、舎人親王、太安万侶、稗田阿礼らが麻雀卓を囲んだ…という話が好きだ。ほかには漢委奴国王の金印をめぐる話が面白かった。そういえば、白石一郎さんの短篇小説に『金印』の話があった。『孤島物語』(新潮文庫)収録。
解説のタニグチリウイチさんは、「積ん読パラダイス」http://www.asahi-net.or.jp/~WF9R-TNGC/index.htmlの作者。
読みどころ●オムスビはなぜ三角形になったのかとか、将棋の駒のルーツや頼朝と義経の本当4062639629の関係など、ユニークな視点から歴史の謎を解き明かす歴史読み物。
目次■桃太郎の正体 お伽話はどうやって作られる?|どこからやって来たのか日本のお茶 抹茶の栄西VS.煎茶の円爾|オムスビの不思議 なぜ三角になったのか|「皿屋敷」の謎 番町それとも播州|日本最古の将棋駒 王様はいなかった?|金閣寺の伝説 究竟頂天井板の謎|江戸っ子の洒落 命を賭けた江戸の闘食会|富士山雑話 誰も気づかなかった? 北斎の失敗|宇宙を閉じ込めた日本人 日本人にとっての「有限」と「無限」|青いチューリップ 「野のユリ」はどこからやって来た? |伽羅先代萩 頼朝と義経は本当は仲がよかった?|黄金の国ジパング 東経一四一度線の驚愕|江戸文化立役者の罪 蔦屋重三郎と居候達に何があったか|川中島合戦の通説の真偽 上杉謙信は空を飛びたかった|失われた大四元 太安万侶は麻雀をしていた?|国宝金印のキズ (1)漢委奴国王の金印はいくつもあった|金印発見の裏事情 (2)金印をデビューさせた男|解説 タニグチリウイチ