『皆ごろしの城 謙信を狙う姫』|風野真知雄|祥伝社文庫
2025年4月11日から4月20日に刊行予定の文庫新刊情報として、 「2025年4月中旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。
今回特に注目したいのは、風野真知雄(かぜの・まちお)さんによる文庫書き下ろし歴史小説『皆ごろしの城 謙信を狙う姫』(祥伝社文庫)です。
「耳袋秘帖」シリーズや「わるじい」シリーズなど、多くの人気時代小説を手がける著者による、戦国歴史エンターテインメントの新作です。
あらすじ
武州・騎西城は四方を沼に囲まれた難攻不落の城。関東における上杉・北条両勢力の境界に位置していました。 永禄六年(1563年)、城主・小田家国が北条方に与したことで、上杉輝虎(後の謙信)は激怒し、大軍を率いて騎西城へ攻め込みます。 奇策で沼を突破した輝虎は、籠城する六百名を次々に斬り捨てていきました。 城主の娘・月乃は、燃え盛る城を背に、槍の名手・五郎太とともに脱出。やがて彼女の胸には、謙信への復讐心が芽生えていきます――。(『皆ごろしの城 謙信を狙う姫』(祥伝社文庫) Amazonの紹介文より抜粋・編集)
読みどころ
風野真知雄さんは、近年ではユーモアあふれる時代小説シリーズで人気を博していますが、もともとは硬派な歴史小説の名手です。
鳥居耀蔵の晩年を描いた『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞を受賞しデビュー。
忍城の攻防を描いた『水の城 いまだ落城せず』は、『のぼうの城』と同じ題材を先駆けて扱い、高く評価されました。
また、佐々成政による冬の飛騨山脈越えを描いた『沙羅沙羅越え』では、第21回中山義秀文学賞を受賞しています。
本作の舞台は、戦国時代の騎西城(きさいじょう。現在の埼玉県加須市)。四方を沼に囲まれた難攻不落の城という点から、『水の城』の忍城を彷彿とさせます。
名将・上杉輝虎(謙信)がどのようにこの城を落としたのか。
そして、城主の娘・月乃がいかにして城を脱し、復讐心を募らせていくのか。
史実を背景にしつつ、どのようなドラマが展開するのか――読者の期待が高まる歴史エンターテインメントです。

今回ご紹介した本
