2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

【新着本】双葉文庫2025年3月発売の新刊。注目作ばかり

アドセンス広告、アフィリエイトを利用しています。
スポンサーリンク

2025年3月刊行の双葉文庫が本棚に加わりました!

今月は、日本歴史時代作家協会賞を受賞した上田早夕里さんの『上海灯蛾』をはじめ、シリーズ累計100万部を突破した千野隆司さんの『おれは一万石 後嗣の祠』(シリーズ第32巻)、超大物脚本家・金子成人さんの『ごんげん長屋つれづれ帖(十) 縁むすび』(シリーズ累計26万部突破)、さらに北方謙三さんの 『絶影の剣 日向景一郎シリーズ(三)』(伝説の剣豪小説シリーズの新装版)など、今月も強力なラインナップです。

『上海灯蛾』

上海灯蛾 (双葉文庫)上田早夕里(うえだ・さゆり)
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:高柳雅人
カバーイラストレーション:影山徹

あらすじ
1934年、上海。
「魔都」と呼ばれるこの地に、成功を夢見て渡ってきた日本人青年・吾郷次郎。租界で商売を営む彼のもとに、謎めいた女性・原田ユキヱが極上の阿片と芥子の種を持ち込む。次郎は上海の裏社会を支配する 青幫(チンパン) の一員・楊直と接触し、阿片ビジネスに手を染めていく。
やがて 第二次上海事変 が勃発し、関東軍と青幫の対立が激化。日本人であることを隠しながら裏社会を生き抜く次郎は、次第に窮地へと追い込まれていく――。

軍靴の響きが絶えぬ上海で、阿片売買による莫大な富と栄華に群がり、燃え尽きていった男たちの物語。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
本書は『破滅の王』『ヘーゼルの密書』に続く、戦前上海三部作の完結編。
阿片ビジネスでのし上がる青年・次郎、彼に阿片と芥子の種を持ち込んだユキヱ、そして裏社会の実力者・楊直。魔都・上海を舞台に、欲望と陰謀が絡み合う、刹那的で耽美なノワール小説の傑作です。

目次
序章 上海 1943
第一章 阿片の園――上海 1934
第二章 田(テイエン)
第三章 栄華
第四章 交戦
第五章 鵬翼
第六章 詭道の果て
終章 夢と枯骨
後記

解説 真藤順丈

2025年3月15日 第1刷発行

本文596ページ
本作は2023年3月刊行の同名単行本を文庫化したものです。

上田早夕里|時代小説ガイド
上田早夕里|うえださゆり|小説家兵庫県出身。2003年、『火星ダーク・バラード』で第4回小松左京賞を受賞し、デビュー。2011年、『華竜の宮』で第32回日本SF対象を受賞。2018年、『破滅の王』で第159回直木賞候補となる。2023年、『...

『おれは一万石 後嗣の祠』

『おれは一万石 後嗣の祠〈新装版〉』(双葉文庫)千野隆司(ちの・たかし)
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:重原隆
カバーイラストレーション:松山ゆう

あらすじ
高岡藩・井上家待望の嫡子、清三郎が病のために亡くなりました。正紀夫妻の悲しみは深く、特に京の嘆きを案じた井尻の提案により、亀戸の下屋敷に鎮魂のための祠が建てられることになります。
世継ぎを失った悲しみを乗り越え、前を向こうとする正紀たち。しかし、廻漕河岸場方の杉尾と橋本に思わぬ殺人の疑いがかかり――。

大人気シリーズ、第32弾!

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
本作では、高岡藩藩主・井上正紀の嫡男・清三郎が病死します。物語とはいえ、幼い子どもの死は胸を打つものがあります。

江戸時代には「七つ前は神の内(七歳までは神のうち)」という言葉があり、七歳未満の子どもは神に属する存在とされていました。当時の幼児死亡率は約2割と高く、いつ神のもとへ帰るかわからない儚い存在だったのです。

本作では、愛する息子を失った正紀夫妻の悲しみと、その立ち直りが描かれます。さらに、藩士にかけられた殺人の疑惑が絡み、物語は緊張感を増していきます。今回も、ハラハラした後にはすっきりとした読後感を味わえるでしょう。

目次
前章 早世の子
第一章 残した名
第二章 接待の客
第三章 恨みの祠
第四章 引き離し
第五章 証言変え

2025年3月15日 第1刷発行

本文250ページ
文庫書き下ろし

千野隆司|時代小説ガイド
千野隆司|ちのたかし|時代小説・作家1951年、東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒、出版社勤務を経て作家デビュー。1990年、「夜の道行」で第12回小説推理新人賞受賞。2018年、「おれは一万石」シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで...

『ごんげん長屋つれづれ帖(十) 縁むすび』

ごんげん長屋つれづれ帖【十】-縁むすび (双葉文庫)金子成人(かねこ・なりと)
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:寒水久美子
カバーイラストレーション:瀬知エリカ

あらすじ
孝助とお妙が通う瑞松院の手跡指南所に、春から新たに通い始めた男児・昌吉。お妙の隣に座り、入門したばかりながら、たいそう優秀な様子です。
そんな話を聞いたお勝ですが、お妙が昌吉と瑞松院の隣のお寺で楽しそうに昼食をとっていたことや、「ごんげん長屋」のお栄の家に朝こっそりと入り込んでいるとの話を耳にし――。

くすりと笑えて、ほろりと泣ける。これぞ人情物の決定版!時代劇の超大物脚本家が贈る、大人気シリーズ第十弾!

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
時代劇「真田太平記」「鬼平犯科帳」シリーズなどを手がけた人気脚本家が描く、時代小説シリーズ第十弾!
本シリーズは、質舗の番頭として働きながら三人の子どもを育てるお勝を中心に、「ごんげん長屋」で繰り広げられる人情ドラマが魅力です。
人を思いやる心、親子の情、そして溢れる情けが胸に染みわたり、いつまでも読んでいたくなるシリーズです。

目次
第一話 出替わり
第二話 神隠し
第三話 置き土産
第四話 縁むすび

2025年3月15日 第1刷発行

本文283ページ
文庫書き下ろし

金子成人|時代小説ガイド
金子成人|かねこなりと|時代小説・作家1949年、長崎県生まれ。脚本家。1997年、第16回向田邦子賞を受賞。2014年、『付添い屋・六平太 龍の巻 留め女』で、時代小説デビュー。時代小説SHOW 投稿記事八丈島から島抜け。兄を救うために、...

『絶影の剣 日向景一郎シリーズ(三)〈新装版〉』

絶影の剣〈新装版〉日向景一郎シリーズ(3) (双葉文庫)北方謙三(きたかた・けんぞう)
双葉社・双葉文庫

カバーデザイン:高柳雅人
カバーイラストレーション:ゴトウヒロシ

あらすじ
薬草園の依頼を受け、奥州・一関に住む医師・丸尾修理を訪ねた日向景一郎と弟の森之助。しかし、修理は「山中の村で流行している疫病には不穏なものがある」と語り、自ら村へ向かおうとしていました。
景一郎たちも同行しますが、そこで目の当たりにしたのは、「疫病の蔓延を阻止するため」として、村人全員を殺そうとする藩兵たちの姿でした。
村を守ろうとする景一郎でしたが、その戦いはやがて江戸をも震え上がらせる大騒動へと発展していきます――。

襲いかかる敵に景一郎の必殺剣がうなりを上げる!北方謙三が描く、伝説の剣豪小説シリーズ第3弾。

(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
双葉文庫から5カ月連続で刊行される「日向景一郎シリーズ」の第3弾。
全村人を抹殺しようとする藩兵に立ち向かう、景一郎と森之助の兄弟の戦いぶりが見どころです。さらに、その背後には隠し金山を巡る陰謀が……。
ページをめくるたびに高まる緊迫感。戦いの果てに景一郎が下す決断とは――? 剣豪小説の傑作、必読です!

目次
第一章 魔剣の行くところ
第二章 山が血を流す
第三章 奇襲の朝
第四章 土の色
第五章 活路
第六章 屍街道
第七章 江戸へ
第八章 いま黎明の時を
第九章 忘却の日
第十章 心猛き時
第十一章 やさしき修羅

解説 池上冬樹

2025年3月15日 第1刷発行
本文470ページ

『絶影の剣 日向景一郎シリーズ 3』(新潮文庫・2002年刊)を新装版刊行にあたり加筆修正したもの。

北方謙三|時代小説ガイド
北方謙三|きたかたけんぞう|作家1947年、佐賀県唐津市に生まれ。中央大学法学部卒業。1983年、『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞を受賞。1985年、『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長篇部門を受賞。1989年、歴史小説『武王...

どの作品も、シリーズの魅力が詰まった最新刊です!
歴史小説、時代小説が好きな方にはたまらないラインナップ。ぜひ手に取ってみてください