『花蝶屋の三人娘』|有馬美季子|小学館文庫
2025年3月1日から3月10日に刊行予定の文庫新刊情報として、 「2025年3月上旬の新刊(文庫)」を公開いたしました。
今回、時代小説関連の新刊が少なめですが、そんな中で注目したいのは、有馬美季子(ありま・みきこ)さんによる文庫書き下ろしの時代小説『花蝶屋(かちょうや)の三人娘』(小学館文庫)です。
著者について
有馬美季子さんは、2021年に「はないちもんめ」「はたご雪月花」シリーズで第10回日本歴史時代作家協会賞シリーズ賞を受賞した実力派作家です。近作には、「お葉の医心帖」「深川夫婦捕物帖」「小鍋屋よろづ公事控」シリーズなどがあり、人情医療ものや江戸グルメ小説、捕物小説の分野で活躍しています。
あらすじ
「花蝶屋の茶でも喫すれば、流れが変わるに違いない」
南町奉行所の“狼”こと、定町廻り同心の沢井勝之進は、行きつけの水茶屋「花蝶屋」を訪れる。人気絵師殺しの探索に手こずる彼の目的は、一息つくこと——と見せかけて、看板娘のお蘭に会うことだった。お蘭は、清楚で生真面目な十九歳。艶やかな二十一歳のお藤、お転婆な十七歳のお桃とともに、「花蝶屋」の看板三人娘として店を切り盛りしている。
しかし、彼女たちにはもう一つの顔があった。実は、自らの仇を探しつつ、頼まれれば他人の復讐も引き受ける〈仇討ち屋〉なのだ。
「花蝶屋」の主人・お稲、鍼灸医の桂雲、美男双子の岡っ引き・六助と七弥とともに、三人娘が人気絵師殺しの真相を暴く!
人気作家が贈る、新シリーズ堂々の開幕!(『花蝶屋の三人娘』(小学館文庫)Amazonの紹介文より抜粋・編集)
本書について
水茶屋の看板娘たちが、仇を探しながら他人の復讐も請け負う〈仇討ち屋〉という、ユニークな設定が魅力的です。個性豊かな三人娘が、事件解決に奔走するだけでなく、料理や恋愛でも活躍する、新たな時代小説シリーズが楽しみです。たかなし しんさんの表紙装画にも読書心をそそられます。
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今回ご紹介した本
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