【新着本】八神淳一『大江戸暴れ曼荼羅』。官能時代小説?

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大江戸暴れ曼荼羅|八神淳一|コスミック・時代文庫

大江戸暴れ曼荼羅 (コスミック時代文庫)八神淳一さんの『大江戸暴れ曼荼羅(まんだら)』(コスミック・時代文庫)が本棚に加わりました。

先日開催された「文学フリマ東京39」で、元キャビンアテンダントで官能作家・蒼井凛花さんや、医師でマダミス作家のナズナさんと、名刺交換をさせていただきました。実はこれまで官能小説を読んだ経験がなく、少し恥ずかしい思いをしました。

官能小説の読者というと、50~60代の男性を思い浮かべがちですが、最近では電子書籍(Kindle)の普及により女性読者も増えているそうです。

本作は、睦月影郎さん、鳴海丈さん、花房観音さん、沢里裕二さんらとともに第一線で活躍されている八神淳一さんによる最新刊です。
主人公は、類まれな美貌と剣術の腕を持つ美人剣客・高岡美月(たかおかみつき)。許婚も、殿も、さらには将軍までも虜にする彼女が繰り広げる、痛快な時代エンターテインメントです。

藩主の命で城に上がることを余儀なくされますが、操を守るために藩主を脅し、城から脱出するという大胆な行動に出ます。随所にソフトな官能描写が散りばめられた作品でありながら、時代小説としてのエンタメ要素もしっかりと盛り込まれています。

官能小説出身の作家には、キャラクターや物語構成が巧みで、痛快な時代小説を書ける方もいらっしゃいます。これを機に「読まず嫌い」を返上し、いろいろな作家の幅広い作品を楽しみながら紹介していきたいと思います。

物語のあらすじ

女子ながらも剣の達人であり、並外れた美貌を持つ高岡美月は、藩主・長峰彦一郎の目に留まり、奥に上がるよう命じられる。しかし、美月には豊島隆之介という許婚がおり、操を守るため、藩主を刀で脅して逃亡。隆之介とともに脱藩を決意するが、追っ手に阻まれ、美月は川に落ち、隆之介は捕えられてしまう。
その後、美月は浪人・権堂矢十郎に助けられる。矢十郎もまた妻・藤乃を彦一郎に奪われ、藩を出奔した身であった。美月と矢十郎は手を組み、道場仲間の間垣孝道の助けを得て、隆之介と藤乃を救出。三カ月後、四人は江戸へ向かうことに。やがて、美月の純真さが将軍・家斉をも魅了し、さらなる波乱が巻き起こる――。痛快無比の時代エンターテインメント!
(※カバー裏紹介文より抜粋・編集)

今回取り上げた本
書籍情報

大江戸暴れ曼荼羅
八神淳一
コスミック出版・コスミック・時代文庫
2024年12月25日初版発行

カバーイラスト:川島健太郎

目次
第一章 岩倉山の洞窟
第二章 賭場の用心棒
第三章 なぞの刺客
第四章 陰働き
第五章 南蛮渡りの媚薬
第六章 御前様

文庫書き下ろし
本文302ページ

八神淳一|時代小説ガイド
八神淳一|やがみじゅんいち|小説家1962年、熊本県生まれ。西南学院大学卒業。雑誌編集者を経て作家デビュー。時代小説SHOW 投稿記事→八神淳一の本(Amazonより)⇒時代小説作家リストへ戻る