2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

【新着本】双葉文庫2024年12月発売の新刊、師走の読書三昧

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『三河雑兵心得(15) 関ケ原仁義(上)』 『北の御番所 反骨日録(12) 南北相克』 『おれは一万石(31) 陥穽の束』 『大富豪同心(30) 漂着 うつろ舟』 『大富豪同心(31) 大統領の密書』

井原忠政『三河雑兵心得(15) 関ケ原仁義(上)』、芝村凉也『北の御番所 反骨日録(12) 南北相克』、千野隆司『おれは一万石(31) 陥穽の束』(双葉文庫)12月の双葉文庫が本棚に加わりました!
一年の締めくくりにふさわしい強力な新刊がそろい、どれから読み始めるべきか迷うほどのラインナップです。

特に注目は、「大富豪同心」シリーズ。NHK BSの年末時代劇としてドラマ化される原作が本月の新刊として登場しています。ドラマ放送前にぜひ原作を読んでみてはいかがでしょうか。

三河雑兵心得(15) 関ケ原仁義(上)

井原忠政
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:高柳雅人
カバーイラストレーション:井筒啓之

あらすじ
茂兵衛の一人娘・綾乃が祝言を挙げた矢先、時代は大きく動き出します。太閤秀吉が薨去し、続いて前田利家も逝去、さらには武断派七将による石田三成襲撃事件が勃発。徳川家康は天下取りへの野望を隠さなくなり、その策略は一層冴え渡ります。
植田茂兵衛は家康の命を受けて東奔西走する中、江戸から京に上ってきた婿の弥左右衛門に何かと辛く当たりますが、愛娘を心配する父としての気持ちがそこにありました。物語はいよいよ関ケ原の合戦へと向かい、戦国足軽出世物語の新たな展開が始まります。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
・関ケ原合戦前夜、戦国の荒波を百姓出身の茂兵衛がどう乗り越えるのか注目です。
・娘婿に厳しい茂兵衛の描写には、戦乱の中でも人間らしさを感じさせるユーモアがあります。
・下級武士の視点で描かれる戦国の様相は、歴史の裏側を覗き見るような面白さがあり、従来の戦国時代小説とは一味違った深みがあります。

目次
序章 秀吉薨去
第一章 狸、覚醒ス
第二章 七将襲撃事件顛末
第三章 石田正宗――琵琶湖畔の別れ
第四章 大坂城月見櫓
終章 初孫降誕

2024年12月14日 第1刷発行
本文270ページ
文庫書き下ろし

井原忠政|時代小説ガイド
井原忠政|いはらただまさ(経塚丸雄)|時代小説・作家神奈川県出身、神奈川県鎌倉市在住。会社勤務を経て文筆業に入る。2016年、経塚丸雄のペンネームで『旗本金融道(一) 銭が情けの新次郎』で時代小説デビュー。2017年、同作で、第6回歴史時代...

北の御番所 反骨日録(12) 南北相克

芝村凉也
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン・イラスト:遠藤拓人

あらすじ
流行病で廃業した門前仲町の蒲団屋・橘屋をめぐる不穏な動き。廃業の際、周囲の商家が見世の処分を手伝いましたが、後日橘屋の遠縁を名乗る者が古い借用証文を持ち出し、南町奉行所に訴え出ます。北町の隠密廻り・裄沢広二郎は、南町の吟味方与力の裁定に疑念を抱き、調査を開始。やがてこの一件は南北奉行所を揺るがす大事件へと発展していきます――。新しい時代のヒーロー像を体現する裄沢広二郎が活躍する大人気シリーズ第十二弾!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
・裄沢広二郎は剣よりも知恵と洞察力で難事件に挑む、個性的な隠密廻り同心。時代小説に新風を吹き込む主人公です。
・南北奉行所を巻き込む大騒動の中、人間関係の駆け引きや粋なやり取りが見どころ。
・2023年度の「時代小説SHOW」文庫書き下ろし部門で第1位に輝いたシリーズだけあって、安定感のある面白さを堪能できます!

目次
第一話 菓子屋の由来
第二話 南北相克
第三話 定町廻り同心・内藤小弥太

2024年12月14日 第1刷発行
本文304ページ
文庫書き下ろし

芝村凉也|時代小説ガイド
芝村凉也|しばむらりょうや|時代小説・作家1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年、「返り忠兵衛 江戸見聞」シリーズにてデビュー。時代小説SHOW 投稿記事『迷い熊帰る 長屋道場騒動記(一)』|心優しき巨躯の剣士「迷い...

おれは一万石(31) 陥穽の束

千野隆司
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:重原隆
カバーイラストレーション:松山ゆう

あらすじ
改易を免れるため、御手伝普請の分担金を何とか納めた高岡藩井上家。しかし財政は逼迫し、藩士の禄米借り上げが再開されます。新たな収入源を探る中、尾張藩から婿入りした藩士が「美濃の小原紙」の商いを提案。しかし、この商いには巧妙な罠が隠されていました――。井上正紀の冷静な判断と家臣たちの活躍が光るシリーズ第31弾!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
・高岡藩が直面する「藩存亡の危機」をテーマに、歴史の現実感と緊張感が絶妙に描かれています。
・商人や藩士たちの駆け引きが見どころで、経済と政治が絡み合う物語は非常に興味深いです。
・歴史的背景を丁寧に描きつつも、娯楽性を忘れない展開が魅力です。

目次
前章 出費の後
第一章 錦絵の紙
第二章 四十五束
第三章 地本問屋
第四章 藩札の紙
第五章 雪の輸送

2024年12月14日 第1刷発行
本文251ページ
文庫書き下ろし

千野隆司|時代小説ガイド
千野隆司|ちのたかし|時代小説・作家1951年、東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒、出版社勤務を経て作家デビュー。1990年、「夜の道行」で第12回小説推理新人賞受賞。2018年、「おれは一万石」シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで...

幡大介『大富豪同心(30) 漂着 うつろ舟』、『大富豪同心(31) 大統領の密書』(双葉文庫)

大富豪同心 漂着 うつろ舟

幡大介
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:かとうみつひこ
カバーイラストレーション:安里英晴

あらすじ
アメリカ大統領が日本の豊富な金(小判)を狙い、鎖国をかい潜って鉄砲を大量に売りつけようと画策。薩摩藩へ提督を派遣する一方で、アメリカ船が難破し、その提督の娘を乗せた救命用の舟が常陸国に漂着します。異国の「うつろ舟」の出現は江戸で大騒ぎとなり、卯之吉は御役を離れられないため、荒海一家が現地に向かうことに。異国との緊張感溢れるやり取りと江戸の混乱が描かれる、大人気シリーズの第30巻です!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
・異国の船「うつろ舟」の漂着を巡る、歴史とフィクションが融合した独特の設定が魅力的です。
・主人公・卯之吉が、豪商の財力と遊蕩で身に付けた知恵を生かして、コミカルかつ痛快な活躍を見せます。
・NHK BSの年末時代劇「大富豪同心スペシャル~大統領の密使~」の前編として、ドラマと合わせて楽しめる作品です。

目次
第一章 黒船が来た
第二章 天下の嫌われ者
第三章 遭難の海
第四章 うつろ舟
第五章 暗闘
第六章 源之丞裁判

2024年12月14日 第1刷発行
本文309ページ
文庫書き下ろし

大富豪同心スペシャル
江戸一番の超豪商・三国屋の孫・卯之吉がひょんなことから同心に!?そして、今回のSPでは遂に将軍お側取り次ぎ役!?卯之吉ファミリー、相次ぐ外国船の来訪の影に隠れた巨大な陰謀に挑む!!現在、日本がかつての国力を失い、米国と中国の大国間の対立に巻...

大富豪同心 大統領の密書

幡大介
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:かとうみつひこ
カバーイラストレーション:安里英晴

あらすじ
常陸国でアメリカ提督の娘アレイサを匿った荒海一家が、現地の代官所にキリシタンと断じられ捕縛されます。その一方、鉄砲取引の資金を調達しようとする薩摩藩の企てを、卯之吉は偶然にも阻止し続けていました。幕府の代表としてアメリカ艦隊の提督と面会した卯之吉は、時に外交官、時に放蕩者として異国の相手とユーモラスに渡り合います。しかし、江戸に護送されるアレイサがさらわれ、事態はさらに混乱へ――。幕府代表としての卯之吉が活躍する、スペシャルドラマ原作第31巻!
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)

ここがポイント
・幕府代表としてアメリカ艦隊の提督と交渉する卯之吉が、江戸の放蕩者らしさを失わないユニークな魅力を発揮!
・異国の娘を巡る騒動や外交問題が、笑いと緊張感の絶妙なバランスで展開されます。
・アメリカ大統領や将軍までが登場して、年末年始にぴったりのスケールの大きなエンタメ時代小説です。

目次
第一章 うつろ舟の行方
第二章 深川踊り合戦
第三章 荒海キリシタン一家
第四章 外交官、八巻卯之吉
第五章 深川大宴会
第六章 大統領と天下の遊び人

2024年12月14日 第1刷発行
本文317ページ
文庫書き下ろし

幡大介|時代小説ガイド
幡大介|ばんだいすけ|時代小説・作家1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。2018年、『騎虎の将 太田道灌』で第1回細谷正充賞受賞。時代小説SHOW 投稿記事時代小説ブックガイド 読書リスト『千両役者捕物帖』(角川春樹事務所...