『雪夢往来』|木内昇|新潮社
2024年12月1日から12月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2024年12月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月の注目作は、木内昇(きうち・のぼり)さんによる歴史時代小説『雪夢往来(せつむおうらい)』(新潮社)です。
この小説で描かれる人物は、『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』の著者であり、江戸時代の越後人・鈴木牧之(すずき・ぼくし)です。
『北越雪譜』は、江戸時代の雪国の風俗や暮らし、奇譚、雪の結晶のスケッチなどを挿絵とともに描いた、雪国の百科事典ともいえる書物で、現在は岩波文庫で読むことができます。
書かねば、夢は終らない
名著『北越雪譜』、刊行に至る四十年の数奇な道
江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。越後塩沢の縮仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け――。
のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格時代長篇。
(『雪夢往来』Amazon内容紹介より抜粋・編集)
『北越雪譜』については以前から知っていましたが、刊行までに四十年もの歳月を要したことを知り、その出版に至るまでのドラマをぜひ読んでみたいと感じました。
また、牧之が越後塩沢の人でありながら、出版をめぐる中で、同時代人である山東京伝や京山兄弟、十返舎一九、曲亭馬琴といった江戸の出版界の著名人たちとも関わっていくというストーリーに惹かれました。
時代小説★2024年12月の新刊情報(単行本)
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今回取り上げた本
木内昇|時代小説ガイド
木内昇|きうちのぼり|時代小説・作家1967年、東京生まれ。出版社勤務を経て、編集者、ライターとして活動。2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2009年、『茗荷谷の猫』で第2回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2011年、『...