『へっぽこ膝栗毛(二)』 『わるじい義剣帖(四) やってない』 『はぐれ又兵衛例繰控(十一) 迷い牛』
11月の双葉文庫に、人気の時代小説3作品が登場しました。稲葉稔さんのへっぽこ三人組による珍道中、孫娘を溺愛する剣豪が活躍する風野真知雄さんの「わるじい」シリーズ第4弾、そして坂岡真さんによる影裁きが光る「はぐれ又兵衛」シリーズ。いずれも文庫書き下ろし界の巨匠による、注目の新刊です。
へっぽこ膝栗毛(二)
稲葉稔
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:國枝達也
カバーイラストレーション:伊野孝行
蔵前の札差・小泉屋の跡取り息子、新兵衛は、放蕩三昧の気ままな日々を送っていましたが、ある日、父から縁談を勧められ、まだ身を固める気のない新兵衛は、太鼓持ちの和助、用心棒の稲妻五郎と共に「後学のため」と称して諸国をめぐる旅に出ます。へっぽこ三人組が行く、東海道の名所を楽しみましょう。
あらすじ
再び東海道を辿り、京を目指す新兵衛、和助、稲妻五郎の三人組は、三島宿の宿場で泥棒騒ぎに巻き込まれ、田子の浦では不貞を働いた妻を追う侍に遭遇し、府中宿では怪しげな一行と投扇に興じるなど、さまざまな事件に見舞われます。一方、江戸に残してきた新兵衛の縁談話も密かに進展し……。笑いと涙の傑作時代小説シリーズ第2弾です。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
わるじい義剣帖(四) やってない
風野真知雄
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:國枝達也
カバーイラストレーション:室谷雅子
孫の桃子を溺愛する「わるじい」こと、愛坂桃太郎は元目付で剣の達人。孫が暮らす長屋で起きた女絵師・お貞殺しの真相を追い、桃太郎が奮闘します。「わるじい秘剣帖」(全十巻)、「わるじい慈剣帖」(全十巻)に続く「わるじい義剣帖」は、ますます好調。
あらすじ
女絵師・お貞殺しの手がかりを掴むため、八丁堀の長屋で与力や同心の妻で構成される女武会と対決することになった桃太郎。老体に苦戦しながらも女武会を退けた桃太郎が知ったのは、お貞には還暦前後の男の影があったという衝撃の事実でした。孫を背負って悪を斬る「わるじい」の活躍が楽しめる、人気シリーズ第4弾。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
はぐれ又兵衛例繰控(十一) 迷い牛
坂岡真
双葉社・双葉文庫
カバーデザイン:鳥井和昌
カバーイラストレーション:村田涼平
主人公・平手又兵衛は南町奉行所の例繰方与力。罪人の調書に類例を添付する職務を担い、七千を超える御仕置例類集や御定書百箇条の内容を頭に叩き込んでいますが、上役に従わず、同僚とも群れないため「はぐれ又兵衛」と呼ばれています。
あらすじ
商家の娘との不義の罪で裁かれる浪人は、軽追放が妥当かと思われましたが、新事実により極刑に処す事態に。火事騒ぎに乗じて浪人が逃亡したことで、沙汰を待たずに死罪が確定します。裏に隠された真実を知った又兵衛は、浪人を救うべく奔走し、怒りに月代を朱に染めて影で悪を裁く――シリーズ第十一弾。
(カバー裏の説明文より抜粋・編集)
それぞれの作品が、時代の風情と深みを堪能できる傑作揃いです。新刊の時代小説をぜひお楽しみください。