傑作! 名手達が描いた小説「蔦屋重三郎と仲間たち」|井上ひさし・風野真知雄・国枝史郎・今東光・笹沢左保・久生十蘭|宝島社文庫
本書の帯に、推薦コメントを掲載いただきました。
「蔦重と戯作者、絵師たちの栄華と没落を描いた珠玉の短編集」
蔦屋重三郎が活躍した時代(安永二年~寛政九年、1773~1797年)は、前半には田沼意次、後半には松平定信が政を担っていました。二人の異なる政治方針は、江戸の庶民の生活に大きな影響を与え、世相は振り子のように大きく動いていきます。
物語のあらすじ
2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の主人公として注目される江戸の「天才プロデューサー」蔦屋重三郎。吉原の貸本屋からスタートし、喜多川歌麿や東洲斎写楽、葛飾北斎らの才能を見出し、恋川春町、山東京伝、平賀源内といった人気戯作者や天才たちと共に町人文化を花開かせた「江戸のメディア王」ともいえる存在です。本書はそんな蔦重とその仲間たちを、時代小説の名手たちが見事に描いたアンソロジーです。
(※カバー裏の紹介文を編集・抜粋)
本書には、蔦屋重三郎の時代を共に生きた文化人たちを描いた6編が収録されています。作品ごとに戯作者や絵師の生き様を通して、蔦重が生きた時代の豊かな文化とその栄枯盛衰が鮮やかに浮かび上がります。
今東光や国枝史郎といった、現在では読みづらくなった貴重な短編も収録されており、興味深い一冊となっています。
収録の作品
今回取り上げた本
蔦屋重三郎 浮世を穿つ「眼」をもつ男
井上ひさし・風野真知雄・国枝史郎・今東光・笹沢左保・久生十蘭
宝島社・宝島社文庫
2024年11月20日第1刷発行
カバーイラスト:浅野隆広
カバーデザイン:門田耕侍
287ページ
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