『平安京は眠らない わかむらさきの事件記』|夏山かほる|中公文庫
2024年2月21日から2月29日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2024年2月下旬の新刊(文庫)」を掲載しました。
今回注目の作品は、夏山かほるさんの書き下ろし平安時代小説、『平安京は眠らない わかむらさきの事件記』です。
元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。
(『平安京は眠らない わかむらさきの事件記』(中公文庫)Amazonの内容紹介より)
著者は、2024年の大河ドラマの主役紫式部を主人公にした、2020年に『新・紫式部日記』で第11回日経小説大賞を受賞し、その後、『源氏五十五帖』を発表し、紫式部の時代を得意とする、新進気鋭の時代小説家です。
今回は、短編小説の書き手として注目されていた、若き日の紫式部(小姫)を主人公に連作形式の物語です。
小姫と月乃、鶴丸を描いた、素敵な表紙イラストは、アオジマイコさんです。
文庫●2024年2月下旬の新刊情報
時代小説●文庫新刊情報|2024年2月下旬の新刊(21日→月末) 2024年2月21日から2月末日の間に文庫で出る時代小説の新刊情報です。 新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →新刊情報リス...
■今回ご紹介した本
夏山かほる|時代小説ガイド
夏山かほる|なつやまかおる|時代小説・作家 1969年佐賀県生まれ。福岡女子大学文学部卒業、九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。 2019年、「新・紫式部日記」で第11回日経小説大賞を受賞し、2020年、同書の単行本でデビ...