『アンサンブル』|志川節子 |徳間書店
2023年12月1日から12月末日の間に、単行本(ソフトカバー含む)で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年12月の新刊(単行本)」を掲載しました。
今月は、徳間書店から刊行される、志川節子(しがわせつこ)さんの歴史小説、『アンサンブル』を取り上げてみました。
本書は、大正から昭和にかけて活躍し、多くの童謡、流行歌などを作曲した中山晋平(なかやましんぺい)の知られざる生涯を描いた長編小説です。
著者は、2003年、「七転び」で第83回オール讀物新人賞を受賞し、2012年、『春はそこまで 風待ち小路の人々』で第148回直木賞候補に、2021年には、『博覧男爵』で第10回日本歴史時代作家協会賞作品賞候補に選ばれている、実力派の時代小説家です。
18歳で長野から出てきた中山晋平は、島村家の書生として「早稲田文学」の編輯補佐をしていた。しかし、師の抱月や編輯部員たちの文学談義はちんぷんかんぷん。知識も才能もない晋平は、どこか居心地の悪さを感じている。
俳優養成所の設立、海外作品の翻訳・演出から新劇の発展に情熱を燃やす抱月に接するうち、晋平の心中に表現への希求が芽生えてきた。
「カチューシャの唄」「ゴンドラの唄」「てるてる坊主」100年経った今なお歌い継がれる名曲に秘められた想いとは。(『アンサンブル』Amazon内容紹介より)
童謡「シャボン玉」(野口雨情作詞)が発表されてから、100年。
島村抱月、坪内逍遥、松井須磨子らと出会い、作曲家の道を拓いていった、作曲家中山晋平は、なぜ多くの名曲を生み出すことができたのでしょうか。
本書を手掛かりにその生涯を知り、名曲に秘められた想いに触れたいと思います。
単行本★2023年12月の新刊
単行本★時代小説新刊情報|2023年12月の新刊(1日→末日) 2023年12月1日から12月末日の間に、単行本(新書含む)で刊行される時代小説、歴史関連書、古典日本文学の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳...
■今回、紹介した本
志川節子|時代小説ガイド
志川節子|しがわせつこ|時代小説・作家 1971年、島根県生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業。 2003年、「七転び」で第83回オール讀物新人賞を受賞。 2013年、『春はそこまで 風待ち小路(こみち)の人々』が第148回直木賞候補に。 2...