『駆け入りの寺』|澤田瞳子|文春文庫
2023年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年6月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました
今月の注目しているのは、文春文庫から刊行される、澤田瞳子さんの歴史時代小説、『駆け入りの寺』です。
落飾した皇女が住持を務める比丘尼御所。
そのひとつである林丘寺では、前住持であり後水尾帝の皇女・元瑶と、現住持である霊元帝の皇女・元秀を中心に、宮中と同じような生活が営まれていた。四季折々の年中行事、歴代天皇の忌日法要を欠かさず行い、出家の身でありながら、和歌管弦、琴棋書画を嗜む。尼たちの平穏で優雅な暮らしのなかに、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ、若い娘だった――。
現世の苦しみから逃れた、その先にあるものとは何なのか。
雅やかで心に染み入る連作時代小説。(『駆け入りの寺』(単行本)Amazonの内容紹介より)
高貴でこの上なく優しく、ちょっとお節介焼きの、尼寺で暮らす皇女が現世に苦しむ人々の心を救う、人情あり、謎解きありの雅な連作時代小説です。
本書の舞台となる、林丘寺(りんきゅうじ)は、京都市左京区の修学院離宮内にある実在の門跡寺院です。2023年5月現在、拝観及び境内の公開は行っていないため、知る人ぞ知るスポットとなっています。
本書に出合うまでこの寺のことは全く知りませんでした。
一般に公開される機会があれば、「音羽御所」とも呼ばれる、洛北のこの美しい寺を一度訪れてみたいと思いました。
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林丘寺は京都の修学院離宮内にあります門跡寺院です。季節の花々や年中行事をご紹介します。
文庫●2023年6月上旬の新刊
時代小説●文庫新刊情報|2023年6月上旬の新刊(1日→10日) 2023年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →...
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『駆け入りの寺』(澤田瞳子・文春文庫)
澤田瞳子|時代小説ガイド
澤田瞳子|さわだとうこ|時代小説・作家 1977年、京都府生まれ。同志社大学文学部卒業、同大学院博士前期課程修了。 2010年、『孤鷹の天』でデビューし、同作で第17回中山義秀文学賞を受賞。 2013年、『満つる月の如し 仏師・定朝』で第2...