『囚われの山』|伊東潤|中公文庫
2023年5月21日から5月31日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2023年5月下旬の新刊(文庫)」を掲載しました
今月の注目しているのは、中公文庫から刊行される、伊東潤さんの歴史ミステリー、『囚われの山』です。
世界登山史上最大級の遭難――一九〇二年の八甲田雪中行軍遭難事件。一九九人もの犠牲者をだした痛ましきこの大事件に、歴史雑誌編集者の男が疑問を抱いた。鍵を握るのは、一二〇年前の白い闇に消えてしまった、ひとりの兵士。男は取り憑かれたように、八甲田へ向かうのだが……。未曽有の大惨事を題材に挑んだ長篇ミステリー。〈解説〉長南政義
(『囚われの山』(中公文庫)Amazonの内容紹介より)
私も含めて、ある年代の方にとって、「八甲田山」と言えば、高倉健さんや北大路欣也さんが主演した大ヒット映画「八甲田山」(1977年)のイメージが強くあります。
映画の原作は、新田次郎さんの小説『八甲田山死の彷徨』ですが、歴史小説の名匠である著者が、どのようなアプローチでこの過酷な遭難事件を再構築し、歴史の間に横たわる謎に光を当てていくのか、妄想しただけで、ワクワクしてきます。
『児玉源太郎』など著書がある、明治の軍事史を専門とされている戦史研究家の長南正義(ちょうなんまさよし)さんによる、巻末の文庫解説にも注目しています。
文庫●2023年5月下旬の新刊
時代小説●文庫新刊情報|2023年5月下旬の新刊(21日→月末) 2023年5月21日から5月末日の間に文庫で出る時代小説の新刊情報です。 新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →新刊情報リス...
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『囚われの山』(伊東潤・中公文庫)
『八甲田山死の彷徨』(新田次郎・新潮文庫)
伊東潤|時代小説ガイド
伊東潤|いとうじゅん|時代小説・作家 1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。 2011年、『黒南海の海――加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説を受賞。『城を噛ませた男』で第146回直木賞候補。 2012年、...