『高望の大刀』|夜弦雅也|日本経済新聞出版
書評家で歴史時代小説やミステリーを専門とされている細谷正充さんが主催する、「第五回書評家・細谷正充賞」が、一般社団法人文人墨客のサイトで発表されました。
過去4回の授賞作品にも刺激を受けることが多くて、注目している文学賞の一つです。
「第五回書評家・細谷正充賞」発表! | 文人墨客
授賞5作品は、
上田朔也『ヴェネツィアの陰の末裔』(創元推理文庫)
鷹樹烏介『銀狐は死なず』(二見書房)
宮澤伊織『神々の歩法』(東京創元社)
矢樹純『マザー・マーダー』(光文社)
夜弦雅也『高望の大刀』(日本経済新聞出版)
で、歴史時代小説のジャンルに入るのが以下の2作品です。
夜弦雅也(やげんまさや)さんの『高望の大刀』は、平安時代を舞台に、平清盛ら桓武平氏の祖である平高望(高望王)を主人公にした歴史活劇です。
第13回日経小説大賞受賞作品。
上田朔也(うえださくや)さんの『ヴェネツィアの陰の末裔』は、16世紀のイタリアのヴェネツィア共和国を舞台に、魔術師である孤児院出身の少年が国を守るために戦う、西洋時代小説。
第5回創元ファンタジイ新人賞佳作作品ですが、まったくノーマークでした。これから読んでみたいと思います。
細谷さんの作品に向ける眼差しが温かく、100パーセント主観で選んでおられますが、その選評が楽しく、頼もしさを感じます。
選評の投稿の冒頭で、「時代の転換期を生きているのではないか」という箇所に、ドキッとしました。数多の歴史小説を読んできて、優れた時代感覚が備わっている細谷さんならではといったところ。
私たちが今、時代の転換点にいることに気づかせてくれました。
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『高望の大刀』(夜弦雅也・日本経済新聞出版)
『ヴェネツィアの陰の末裔』(上田朔也・創元推理文庫)
夜弦雅也|時代小説ガイド
夜弦雅也|やげんまさや|時代小説・作家 福岡県出身。愛媛大学理学部卒業後、企業で法規関連などの業務に携わる。 2021年、「高望の大刀(たかもちのたち)」で第13回日経小説大賞受賞、2022年、同作で単行本デビュー。 同年、第5回書評家・細...