35度の厳しい暑さが戻ってきた9月初めのある日、大阪府堺市にある、百舌鳥古墳群と堺市博物館を訪れました。
百舌鳥古墳群は、日本最大の古墳、仁徳天皇陵古墳やその息子・履中天皇陵古墳など、1500年前の古墳の大きさを体感し、柄にもなく古代への思いが募ってきました。
南海電鉄の三国ヶ丘駅から徒歩で古墳沿いの道を歩いたので、周囲2.85Kmといわれる仁徳天皇陵古墳の大きさは、想像以上でした。航空写真のような全体像はっても見ることができません。
仁徳天皇陵よりもやや小ぶりの履中天皇陵古墳のほうは、後円部分が臨める位置にビュースポットが設けられていて、古墳を取り囲む濠も見ることができて感動しました。
今回の楽しみにしていたのが、仁徳天皇陵古墳に併設する大仙公園内にある、堺市博物館です。
百舌鳥古墳群に代表される古墳時代から、海外貿易の中心地として栄え、戦国時代には豪商が誕生し町を取り囲むように濠をめぐらした環濠都市としての発展の様子が展示されていました。江戸時代に入ると、鉄加工技術にすぐれ、鉄砲のほかに、タバコ包丁や出刃包丁など刃物でも知られるようになっていきました。
堺では、古墳建造から、鉄加工・鍛冶技術が現代まで連綿と続くことを知り、驚嘆を覚えました。
古墳時代を描いた時代小説では、田辺聖子さんの『隼別王子の叛乱』があります。
隼別皇子(はやぶさわけのみこ)は、応神天皇の皇子で、仁徳天皇の異母弟となります。
倭の大王・大鷦鷯(おおさざき。仁徳天皇)の想い人・女鳥姫(めとりひめ)と恋におちた隼別王子(はやぶさわけのみこ)は、大王の宮殿を襲いますが、大王の前にあっけなく敗れてしまいます。
戦国時代の堺を代表する人物が千利休。
山本兼一さんの直木賞受賞作『利休にたずねよ』を久しぶりに読み直してみたくなりました。
■Amazon.co.jp
『隼別王子の叛乱』(田辺聖子・中公文庫)
『利休にたずねよ』(山本兼一・PHP文芸文庫)