『仕立屋お竜』|岡本さとる|文春文庫
2022年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2022年6月上旬の新刊(文庫)」を掲載しました
今回は、文春文庫から刊行される、岡本さとるさんの文庫書き下ろしの時代小説新シリーズ、『仕立屋お竜』(を取り上げてみました。
幼い頃に父からDVを受けてきたおしんは、母と家を逃げ出すが、その母も過労で亡くなり天涯孤独の身に。母親の薬代のためにつくった借金を抱えたおしんだが、親切顔で近づいてきたやくざの林助に騙され、盗品の運び屋や、美人局の片棒を担がされるなど、悪の道にひきづりこまれてしまいます。
とあることがきっかけで、武芸の達人・北条佐兵衛に助けられて自由の身となったおしんは、天賦の才があったのか、達人から教えてもらった武術を乾いた砂が水を吸うようにわがものにしてゆきます。
「お前の才能は、お前のように困っている女性のために使うのだ」という師匠の言葉を胸に、師匠の紹介で仕立屋「鶴屋」から仕事をもらうようになります。そしてお竜と名を変えて、女をいたぶる悪人を退治することを決意。そんなある日、因縁の男と再会することになって……。(『仕立屋お竜』(文春文庫)Amazonの内容紹介より)
表の顔は腕の良い仕立職人で、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。
人気シリーズ『居酒屋お夏』に相通じるような、凛としたヒロインの活躍が楽しみな、痛快時代小説の開幕です。
文庫●2022年6月上旬の新刊
時代小説●文庫新刊情報|2022年6月上旬の新刊(1日→10日) 2022年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。 →...
■Amazon.co.jp
『仕立屋お竜』(岡本さとる・文春文庫)
『居酒屋お夏』(岡本さとる・幻冬舎時代小説文庫)
岡本さとる|時代小説ガイド
岡本さとる|おかもとさとる|時代小説・作家・脚本家 1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。 2006年、新作歌舞伎脚本『浪華騒擾記』で第35回大谷竹次郎賞奨励賞を受賞。 その後フリーとなり、テレビ時代劇の脚本家、舞台作品の脚...