『ハヤカワ文庫JA総解説1500』|早川書房編集部編|早川書房
早川書房編集部編の、『ハヤカワ文庫JA総解説1500』(早川書房)の見本が我が家に届きました。
1394番の稲葉一広さんの『戯作屋伴内捕物ばなし』の解説を担当しました。原稿は、「ハヤカワミステリマガジン」の2021年11月号に掲載したものの再掲となっています。
1973年3月、日本人作家のSF専門レーベルとして創刊されたハヤカワ文庫JA。その後ミステリや評論、エッセイ、コミックなどの他ジャンルも包括した国内総合エンタメレーベルとして刊行を続け、このたび通算1500番に到達しました。それを記念し、2021年にSFマガジン・ミステリマガジンに掲載された総解説企画を書籍化。1番の小松左京『果しなき流れの果に』から、先進的なアイデアで話題を呼んだアンソロジーの1500番『異常論文』まで、全作品の書誌情報と、作家や評論家らによる解説を通し番号順に収録。巻頭に全初版カバーをフルカラーで掲載。『ハヤカワ文庫SF総解説2000』に続く公式ガイドブック
(本書カバー帯の紹介文より)
判型は文庫の2倍に近いA5サイズですが、本書のカバーの帯を外してみると、背表紙や裏面のデザインを踏襲したものとなっていて、古くからの読書好きからすると、それだけでもうれしくなってきました。
巻頭口絵に掲載された、全1500タイトルの書影(表紙画像)を見ていると、昔書店で見たことのあるタイトルが並んでいて、当時よく利用いていた書店のことが思い出され、懐かしくなってきました。
1973年3月から2021年10月までということで、解説と書誌データを読んでいくと、ハヤカワ文庫JAの公式ガイドブックにとどまらず、日本SFのクロニクルのようにもなっています。
ハヤカワ文庫JA内に、「ハヤカワ時代ミステリ文庫」がレーベル内レーベルとして創刊されたのは2019年9月で、1393番の稲葉博一さんの『影がゆく』からとなります。
本書を手にして、ハヤカワ文庫に時代小説が入って良かったとしみじみと思いました。
SFやミステリの老舗出版社では新しいジャンルの時代ミステリを育て、これからも出版タイトルを増やしていってほしいと強く願っています。
ハヤカワ文庫JA総解説1500
早川書房編集部編
早川書房 早川書房
2021年12月15日発行
カバー・口絵デザイン:岩郷重力+早川書房編集部
●目次
なし
本文314ページ
SFマガジン2021年8月号、10月号、12月号、ミステリマガジン9月号、11月号掲載の特集を単行本化にあたり加筆修正したもの
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『ハヤカワ文庫JA総解説1500』(早川書房編集部編・早川書房)
『戯作屋伴内捕物ばなし』(稲葉一広・ハヤカワ時代ミステリ文庫)
『影がゆく』(稲葉博一・ハヤカワ時代ミステリ文庫)