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江戸から明治、激動の歴史を、港区立郷土歴史館で学ぶ

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港区立郷土歴史館(旧公衆衛生院)先週、とある秋晴れの日、JR目黒駅から歩いて、白金台(東京都港区)のゆかしの杜にある、港区立郷土歴史館を訪れました。
港区立郷土歴史館は、自然・歴史・文化をとおして港区を知り、探求し、交流する拠点となる施設として、2018年11月に開館され、11月でちょうど2周年を迎えました。

12月20日(日)までの会期で、特別展「港区と皇室の近代」が開催されています。

港区内には、迎賓館赤坂離宮、旧芝離宮恩賜庭園、旧朝香宮邸など、明治以降、皇族方がお住まいとして利用された離宮や御殿、御用邸が置かれていました。
港区に残る皇室ゆかりの地(主だったもので19か所もありました)を宮内庁宮内公文書館の史料を中心に展示し、近代における港区と皇室の関係を紹介しています。
東京慈恵会医科大学付属病院の成り立ちなど、興味深く目を惹かれました。

常設展では、「テーマII 都市と文化のひろがり」の展示で、近世都市・江戸の城南に位置する港区の様子を、まちづくり、武家地・寺社地・町人地と、そこにかかわる人びとの姿を通して紹介しています。
江戸城の南に位置する港区に当たる地域は、愛宕下の大名小路をはじめとして多くの大名屋敷が置かれ、増上寺をはじめとした寺院も多数ありました。

館内のミュージアムショップで購入した『歴史散歩みなと』(編集・発行:港区教育委員会事務局推進部図書文化財課文化財係)によれば、幕末の開国時の最初の外国公使館は、アメリカ公使館は善福寺に、イギリス公使館は東禅寺に、フランス公使館は済海寺に、オランダ公使宿館は西應寺、いずれも港区内の寺院に置かれていました。

港区を代表する歴史上の人物というと、勝海舟が挙げられます。
生まれ育った本所から、結婚とともに赤坂田町に移り、さらに氷川神社近くに移り住んでいました。明治維新により駿府で暮らしていた時期もありまいたが、明治5年から明治32年(1899)に亡くなるまで赤坂氷川の邸宅で過ごしました。

港区立郷土歴史館ゴシック調の外観の建物は、昭和13年(1938)に竣工した旧公衆衛生院のものを使用しています。

公衆衛生院は、アメリカ・ロックフェラー財団からの寄付のもと、日本国民の保健衛生および公衆衛生の調査研究と普及を目的に国が設立した機関でした。平成14年(2002)に、国立保健医療科学院として統廃合され、現在は和光市に移転しています。

東京大学の安田講堂等の設計者として知られる、東京大学建築学科教授の内田祥三(よしかず)氏によって設計された、連続したアーチが特徴的な建物は見学ができます。

新型コロナウイルスの感染予防の対策も取られていて、ゆっくりと閲覧して回ることができました。
歴史が学べるうえに、見どころがありすぎるぐらい充実しています。かつ、込み合っておらず、穴場スポットです。

港区立郷土歴史館
港区立郷土歴史館は、自然・歴史・文化をとおして港区を知り、探求し、交流する拠点となる施設です。

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