2020年2月1日から2月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2020年2月の新刊 上」を掲載しました。
今回は、PHP文芸文庫から刊行される、文芸評論家の細谷正充さん編による時代小説アンソロジー、『ねこだまり 〈猫〉時代小説傑作選』を紹介します。
『まんぷく 〈料理〉時代小説傑作選』に続く、女性時代作家によるアンソロジーです。
お店の守り神である木彫りの猫がなくなり、その行方を捜す「猫神さま」(西條奈加)、長屋で一番偉い猫の“サバ”が、夫婦の揉め事を解決する「包丁騒動」(田牧大和)、臆病な火消しの男へ按摩が与えた猫頭巾に込められた恐るべき謎「だるま猫」(宮部みゆき)など、愛らしくも摩訶不思議な存在である江戸の猫にまつわる短編六作を収録。
令和を代表する女性時代作家の共演による珠玉のアンソロジー。
(Amazon内容紹介より)
守り神としての猫、事件を目撃する猫、一緒に冒険する猫……。かわいらしくもときに不可思議な江戸の猫たちが登場します。
宮部みゆきさん、諸田玲子さん、田牧大和さん、西條奈加さん、折口真喜子さん、森川楓子さん、という今読んでおきたい作家たちの競演による、大江戸猫小説を堪能したいと思います。
森川楓子(もりかわふうこ)さんは、2007年に『林檎と蛇のゲーム』で第6回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉を受賞し、高瀬美恵さんの名義でライトノベルで活躍されている作家さん。
時代小説作品には、人気絵師・歌川国芳の弟子と愛猫が誘拐事件に挑む、『国芳猫草紙 おひなとおこま』があります。
■Amazon.co.jp
『ねこだまり 〈猫〉時代小説傑作選』(細谷正充編・PHP文芸文庫)
『まんぷく 〈料理〉時代小説傑作選』(細谷正充編・PHP文芸文庫)
『国芳猫草紙 おひなとおこま』(森川楓子・宝島社文庫)