高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読み始めた。主人公の森本右近太夫一房(もりもとうこんのたいふかずふさ)は、時代小説のヒーローでは珍しいタイ捨流(作中では体捨流の表記)の剣豪。
タイ捨流の流祖の丸目蔵人佐(まるめくらんどのすけ)藤原長惠(ふじわらながよし)徹斎(てつさい)は、肥後国人吉の生まれで終生相良家に仕えた。若いときに上洛し、剣聖・上泉伊勢守信綱の門下に入り、疋田文五郎、神後伊豆守、柳生宗厳(石舟斎)などとともに高弟となり、新陰流の印可を得ている。
タイ捨流とカタカナで表記するのは、「タイ」の文字に「体」と「待」と「大」の意味を込め、漢字を当てると意味が限定されてしまうことを嫌ってのことだそうだ。
歴史上の人物に題材をとった著作が多数ある作家の加来耕三さんが、自身のホームページで現代タイ捨流免許皆伝秘話を掲載されていて、大変興味深かった。
『胡蝶の剣』は、若き主人公が晩年の丸目蔵人佐徹斎のもとに入門から始まる。タイ捨流の極意が段階を追って描かれていて面白い。この後、波瀾万丈の物語が展開していきそうで楽しみだ。
- 作者: 高妻秀樹
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- 作者: 加来耕三
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