今村翔吾さんの文庫書き下ろし時代小説、『秋暮の五人(あきぐれのごにん) くらまし屋稼業』(ハルキ文庫)を入手しました。
本書は、いかなる者でも金子を払えば、今の暮らしから失踪させてくる「くらまし屋」の痛快で奇想天外な仕事ぶりを描くシリーズの第4弾です。
八朔の日、亥の刻。芝湊町の土蔵に、見知らぬ者の文で呼び出された男たちが、密かに集まってきた。骨董商の仁吉、役者の銀蔵、寄木細工職人の和太郎、浪人の右近、板前の壱助。文の差出人は果たして誰なのか? 五人が呼び出された真の理由とは? 一方、虚の一味、初谷男吏と榊惣一郎は仕事をしくじり、高尾山から江戸市中に戻ってきた。めくるめく展開に一瞬も目が離せない。まさかのラストに、驚愕すること間違いなし。最強の決闘あり、ミステリーあり、人情あり……無敵のエンターテインメント時代小説、熱望の書き下ろし第四弾。
(本書カバー裏の紹介文より)
堤平九郎は、三年前に何者かに連れ去らされた最愛の妻・初音と娘・小鈴の行方を探すために、己も連れ去る側に立てば何かわかるかもしれないと「くらまし屋」稼業を始めた。そして、一人で始めたの「くらまし屋」も、七瀬、赤也、居酒屋の主・茂吉と手伝いのお春と、仲間を増やしています。
表紙装画に描かれている五人が、「くらまし屋」ファミリーです。
さて、芝湊町の土蔵に集まった曰くありげな五人の男たちは、かつて江戸三大盗賊の一つに数えられた「鰄(かいらぎ)党」の一味です。頭の隠し金一万両の在処を「くらまし屋」が知っていると見知らぬ者からの文に書かれていました。一万両の行方をめぐって男たちが蠢動します。
さらに、虚の一味の凄腕の剣客に加えて、「くらまし屋」の天敵で平九郎のライバル、“炙り屋”の万木迅十郎(ゆるぎじんじゅうろう)も登場して、物語は息もつかせぬ展開に……。
序章には、著者の超人気シリーズ「羽州ぼろ鳶組」のファンなら、思わずニヤリとしてしまうサービスカットが挿入されています。両方のシリーズのリンクが楽しめます。
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『秋暮の五人 くらまし屋稼業』(今村翔吾・ハルキ文庫)
『くらまし屋稼業』(今村翔吾・ハルキ文庫)(第1作)