篠綾子(しのあやこ)さんの文庫書き下ろし時代小説、『絵草紙屋万葉堂 初春の雪』(小学館文庫)を入手しました。
ヒロインのさつきが、経営が傾いた絵草紙屋万葉堂を立て直すために、読売(瓦版)の記事を書き始め、さまざまな事件に出合うシリーズ第2弾です。
ミステリータッチのストーリー展開に加えて、読売の書き手としてさまざまな困難にぶつかるさつきの仕事ぶりと、親友およねの兄で戯作者として活躍をする伝蔵(山東京伝)への淡い恋心が描かれています。
さつきは、二号目の瓦版(読売)に近所での窃盗事件を取り上げた。犯人が「あやかし」だという読売に対抗して真犯人が分かるように書いたため、逆恨みした犯人によって兄の喜重郎が刺されていしまう。
次の号に盗賊団「蛇の目」のことを書こうかと考え始めるさつき。しかし、同業である日吉堂の伍助と栗橋靱負からは「蛇の目のことを書くな」と言われてしまう。
その頃、さつきの親友およねは“黒鳶式部”という筆名で黄表紙作家としてデビューし、これまでの熱い胸の内を喜重郎に伝えるのだが……。
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『絵草紙屋万葉堂 初春の雪』(篠綾子・小学館文庫)