長辻象平(ながつじしょうへい)さんによる文庫書き下ろし時代小説、『御納屋侍 伝八郎奮迅録 あめんぼう』(双葉文庫)を入手しました。
本書の主人公、鮎貝伝八郎は、浪々の身で貧乏暮らし、近隣の川で釣り得た魚を長屋の者どもに与えて、日々の食事を口にするという、物々交換の暮らしをしていました。
著者は、魚類生態学が専門の科学ジャーナリストで、釣魚史研究家でもあります。『元禄いわし侍』などの釣魚時代小説のほか、刀鍛冶の虎徹が主人公の痛快な伝奇時代小説『半百の白刃 虎徹と鬼姫』があります。
時は元禄四年、親の代から浪々の身の鮎貝伝八郎は、本所竪川沿いの長屋に住む貧乏暮らし。そんな伝八郎のもとに、突然初老の武家が訪ねてくる。尾張藩の家老稲葉主膳と名乗ったその男は、伝八郎を奉行職で召し抱えると言う。思いもかけない仕官話に伝八郎は甘い考えに飛びつくが、そこには予期せぬ落とし穴が……。食えない家老の無理難題に翻弄されながらも、主家を取り巻く陰謀に向かう伝八郎の剣が爽快に舞う!
釣りが得意な伝八郎にもたらされた仕官話とは? 仕官した伝八郎はどんな活躍を見せるのか、ワクワクします。
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『御納屋侍 伝八郎奮迅録 あめんぼう』(長辻象平・双葉文庫)
『半百の白刃 虎徹と鬼姫(上)』(長辻象平・講談社文庫)