昨8月12日より、徳島のお盆の風物詩、阿波踊りが始まりました。昨年までは1500人の踊り手による「総踊り」が行われ一日のフィナーレとなっていましたが、今年は市長と阿波おどり振興協会の対立により、中止になったそうで残念です。
さて、江戸時代の盆踊りを描いた時代小説では、野口卓さんの『遊び奉行 軍鶏侍外伝』(祥伝社文庫)があります。
作者の出身地である徳島を想起させる、架空の藩、園瀬藩を舞台にしています。作中で臨場感豊かに描かれる盆踊りは、まさに阿波踊り、そのものでした。
物語の中では、園瀬の盆踊りは百姓町人のもので、武士が躍ることは禁止されていました。
「ああ、踊りたい! なんとかして、踊りの輪に加わりたいものだ」と家老の家に養子入りした主人公は熱望しました。そして、遂には……。
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『遊び奉行 軍鶏侍外伝』(野口卓・祥伝社文庫)