藤沢周平作品というと、『蝉しぐれ』など映画化された「海坂藩」を舞台にした武家ものや、庶民の何気ない日常を情感込めて描いた『橋ものがたり』などの市井もので代表されることが多い。
短篇集『闇の穴』の表題作を読んでいると、サスペンスタッチのミステリーも巧みであることを再認識できる。同じ作品集に収録されている「閉ざされた口」や「狂気」も緊張感に富んだ捕物小説になっている。
長篇で藤沢さんの捕物小説を楽しみたい人には、彫師伊之助が探偵役をつとめる『消えた女』をおススメした。
- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1983/08
- メディア: 文庫
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