夕方、東京で震度3の地震が起きた。会社にいたが、割合大きく揺れた。ちょうど、明日は防災の日で、1923年には関東大震災が起こった日でもある。出久根達郎さんの『安政大変』を読んでいたこともあり、地震の怖さが頭にあったときだった。
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『安政大変』は、連作形式で安政大地震に見舞われた人々を描いている。その中の一編に、最下級の売笑婦・夜鷹と井戸掘りの男の恋を描いた「おみや」という話がある。
この本によると、江戸の井戸掘りは、職位別の分業制で行われたようだ。
井戸掘りは、掘り手と、綱子(つなこ)と、音頭取り(おんどとり)、それに雑色(ぞうしき)の出方(でかた)で進められる。一番偉いのが音頭取りで、雑色は粘土水作りや道具運び、職人の飯のお膳立てや、用事で店と現場を往ったり来たりする。
綱子は、掘り手が掘った穴の土を、綱に結んだ桶で引き上げて捨てる役である。
音頭取りは穴の上に渡した道板に踏んばって、穴の底の様子を見て、桶を「上げよ」「下げよ」と指図する。「ゆっくり」「急いで」と適確にに判断する。歌を歌って、皆の意欲をかけたてる。
(『安政大変』「おみや」P173より)
井戸掘り歌が全編に挿入されているせいか、哀しいお話なのに何ともいえないペーソスを感じる。出久根さんには、『土龍』というお台場構築工事で、穴を掘る男たちを描いた作品もある。
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読書に関するブログを書くことが多いせいか、本から引用することが多い。そんなときに重宝するグッズを入手した。本を見開きの状態にしておくことができる「ブックストッパー」だ。
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1個でも役立つが、2個あるとピッタリと固定できていい感じだ。
コメント
こんにちは。昨日の地震は結構揺れましたね。ちょっと怖かったです。私もこの「安政大変」読みたいと思ってました。時代小説で地震のはあまりないですよね。
ブックストッパーってすぐれものですね。 私もブログに本の引用をしる時苦労をするのでこれは良い!と思いました。
藤沢周平さんの用心棒日月抄では江戸の大地震が出てきて長屋住まいの又八郎に「地震がなくとも、もともと家が傾いておる。 傾いた家が地震でまた少し傾きがひどくなったといった程度」と言わせています。
あきさん、みやこさん、コメントありがとうございます。読み始めたばかりの乾荘次郎さんの『妻敵討ち 鴉道場日月抄』にも、「さらに一昨年には江戸で大地震が起こるし、なにやら世の中がにわかに胎動してきたような気になって、この先どうなることかと、町人も不安を隠せないでいる。」という記述が出てきた。澤田ふじ子さんの作品に、京で起きた地震を取り上げた『狐火の町』という作品があったのを思い出した。