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幕末期に活躍した三人の技術系幕臣

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江川太郎左衛門の家臣たちが描かれた『秋の金魚』(河治和香著)を読んだ後、幕末期に日本の近代化を推し進めた技術系の男たちがいたことを知った。そして薩長土の藩士ではなく、そのほとんどが幕臣であった。

日本の近代が始まったのは、つまり夜が明けたのは、明治維新によってというのが通念だが、『幕臣たちと技術立国』では日本の近代化は幕末にすでに始まり、着実に進行していたことを明らかにしている。そして、幕末期の三人の幕臣を取り上げて紹介している。

三人とは、伊豆韮山代官で反射炉やお台場築造に関わった江川太郎左衛門英龍、浦賀奉行所与力で徳川海軍お士官を務めた中島三郎助永胤、五稜郭に新政府を作った榎本釜次郎武揚だ。著者の佐々木譲さんは、冒険小説で活躍するかたわら、2002年、榎本武揚の生涯を描いた『武揚伝』で新田次郎文学賞を受賞している。

新書なので評伝というか読み物であるが、幕末に対して新しい見方ができるようになる一冊として期待して読みたい。幕末時代小説の読み方も変わるかも。

秋の金魚 (小学館文庫)

秋の金魚 (小学館文庫)

武揚伝〈1〉 (中公文庫)

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