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将棋に懸ける男たちを描く時代小説

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湯川博士(ゆかわひろし)さんの『大江戸将棋所 伊藤宗印伝』を読み始めた。江戸中期の将棋五世名人伊藤宗印の波乱の生涯を描く異色の時代小説。作者は、『将棋ジャーナル』(休刊)編集長を経て、将棋に関する著書を多数発表されている方で、将棋ペンクラブ代表幹事などを務められているそうだ。時代小説を書かれたのはおそらく初めてだと思う。

この小説がユニークなのは、対局の場面で実際の棋譜を掲載している点である。筆者の得意な将棋に関する造詣の深さが堪能できる。小学生のときに駒の並べ方を教わった程度だから、棋譜から勝負の行方を読むことはできないが、将棋に関心のある方なら、それだけで時間が経つのを忘れて楽しめるのではないだろうか。

私のような門外漢にとっても、江戸時代の将棋の世界がどんなだったかがわかり、興味深い作品である。通勤電車の中で読んで、寝起きの頭を覚醒させるのにいいかも。

大江戸将棋所 伊藤宗印伝

大江戸将棋所 伊藤宗印伝