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藤沢周平の世界展に行ってきた

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かねてから楽しみにしていた「藤沢周平の世界展」に行ってきた。世田谷文学館開館10周年記念ということで、常設展示を1階に移し、2階のフロア全部を使っての大規模な展示だった。夫人の管理がよいせいか、『溟い海』や『暗殺の年輪』などの初期の作品から、『用心棒日月抄』や『たそがれ清兵衛』などの代表作まで、藤沢さんの肉筆の原稿が数多く展示されていて興味深かった。

鶴岡時代から、藤沢さんの世界を追っていくと、庶民(普通人)としての一貫した目線や人物に対する真摯な態度が感じられ、それが色濃く作品に投影されてたことがわかる。また、展示のパネルで使用された風景や自然を写し撮った写真が、藤沢さんの作品の雰囲気とマッチしていて、とても美しくてよかった。

二十代で大病を患い、平成九年(1997)一月に六十九歳で亡くなった藤沢周平さん。展示の中の写真は笑顔のものが多く、場内では藤沢さんへのインタビュー映像も上映されていて貴重。没後8年が経過して、大規模な回顧展が開催されたことはファンにとって何よりの贈り物である。藤沢さんの作品を読み返してみたくなった。

世田谷文学館内の喫茶スペース「どんぐり」の「ずんだもちと抹茶セット」450円は、展示を見た後の休憩にピッタリです。ずんだもちはおいしくておすすめです。

世田谷文学館

世田谷文学館 - 文学を体験する空間
世田谷文学館は1995年に東京23区では初の近代総合文学館として、東京都世田谷区南烏山に開館しました。

漆の実のみのる国〈上〉 (文春文庫)

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コメント

  1. 絶間 より:

    庭にトンボがむれ、夜になると虫の音がしみいる季節になりました。
    なぜか秋には藤沢さん作品が読みたくなりますね。
    また、藤沢作品を読める年齢に私もなったようです。
    逆に若いころとちがい、「竜馬がゆく」は読めません(笑)。

  2. 理流 より:

    展示を見ていて、藤沢さんの作品には下級藩士や職人など庶民の目線で描かれていることが、読んでいて居心地がよく、癒し効果につながるのかと再認識しました。
    ドラマが放映されていることもあり、『秘太刀馬の骨』を再読してみようかと思っています。