遅ればせながら、吉村昭さんの『桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)』を入手し読み始める。時代小説サイトの看板を掲げながらも、真面目な歴史ものが苦手で敬遠していたが、そろそろ幕末の水戸藩と向き合ってもいいかなと思い始めたところだ。
水戸藩というと、光圀以来、尊皇の考え方が根強く浸透し、幕末においても御三家でありながら、尊皇攘夷の急先鋒であったという特異な位置にある藩という認識があった。また、尊皇攘夷をリードした雄藩であり、桜田門外の変など、倒幕の功績が大ながら、明治維新時に華々しい位置から遠ざけられた、ある意味でとても不幸な藩である。
その辺の事情について理解するテキストとしてこの作品を選んだ。徳川斉昭の水戸藩と井伊直弼の彦根藩に、いろいろな因縁があって事件につながったらしい。
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1995/03/29
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カバー装画は佐多芳郎さんが担当されている。