澤田ふじ子さんの『悪い棺―公事宿事件書留帳〈9〉 幻冬舎文庫』を読了した。京の大宮姉小路通りの公事宿鯉屋に居候する田村菊太郎が活躍する、「公事宿事件書留帳」シリーズの第九弾。米屋の主の葬列に石を投げた少年を描いた表題作ほか5編を収録している。
いずれも京の町に根ざした人々を描く人情味あふれる市井ものであり、捕物帳仕立てになっていて読み味がいい。今回は、「黒猫の婆」と「お婆の御定法」の2編で、しっかりした気力と意志を持った凛とした二人の老女(お里とお寿)が登場するのが興味深い。作者の考えを投影する存在として、親と子、主人と使用人、老人と子どもなど、人間社会の「正しい姿」を見せてくれる。
「公事宿」シリーズは、テレビ朝日系で「大江戸弁護人走る!」(高嶋政宏主演)とタイトルで、またNHKでは「はんなり菊太郎」「はんなり菊太郎2」(内藤剛志主演)という題名でテレビドラマ化されている。
「はんなり菊太郎」
エラー - NHK
「はんなり菊太郎2」
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- 作者: 澤田ふじ子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/06/08
- メディア: 文庫
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