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深川澪通り木戸番小屋(1)

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江戸市井ものの傑作『深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)』の舞台となる、深川の澪通り(みおどおり)がどこだったか調べたくなり、十年ぶりに読み返してみた。

作品は、こんな書き出しで始まる。

 夜になると、川音が高くなる。深川中島町は三方を川でかこまれていて、木戸番小屋は町の南を流れる大島川沿いの、俗に澪通りと呼ばれる道の端にあった。町の西側へ流れてくる仙台堀の枝川と、大島川が一つになって隅田川へそそぐところである。

嘉永・慶応 江戸切絵図〈1〉―江戸・東京今昔切絵図散歩 尾張屋清七板 (古地図ライブラリー)」で見ると、ちょうど深川の西南の角近くに位置している。松平下総守下屋敷の向こうは海である。

物語は、この海辺の町の木戸番小屋に住む笑兵衛とお捨の夫婦を中心に展開する。ひとくせある名前からうかがえるように、人に言えない過去を持つ二人だから、暮らしに苦しみ、心に傷を持って、小屋にやってくる人々を癒す力を持っている。

久方ぶりで、ディテールを忘れていたこともあり、第一話の元火消しの纏持ちの勝次の話から、北原ワールドにぐいぐい引き込まれる。一気に読み終え、人間的に少し浄化され、とても豊かな気持ちになった。

深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)

深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)

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